群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

やる気とリハビリ

生理学研究所の報告です。

脊髄損傷後のサルの運動機能回復の早期において、やる気や頑張りを司る、脳の「側坐核」が、運動機能を司る「大脳皮質運動野」の活動を活性化し、運動機能の回復を支えることを脳科学的に明らかにしたと発表しました。


同成果は、西村幸男准教授らにより、米科学誌Science」に掲載されています。


これまでの研究で、リハビリを行うとき、意欲を高く持つと回復効果が高く、うつ症状を発症してしまうと、機能の回復に遅れが生じることが知られていました。


しかし脳科学的に、「やる気や頑張り」が、運動機能の回復にどう結びついているのかはわかっていませんでした。


そこで、サルにより、「やる気や頑張り」を司る脳の神経核である「側坐核」を不活性化させ、運動機能を司る「大脳皮質運動野」の神経活動の変化をみました。


結果、脊髄損傷後の運動機能回復の初期では、側坐核による運動野の活性化がリハビリテーションによる運動機能回復を支えていることを突き止めています。


また、脊髄損傷前や完全に運動機能回復した後では、側坐核の活動は大脳皮質運動野の活動や手などの運動に関与していないことも確認し、患者の実際のリハビリにおいて、運動機能を回復させることも重要ですが、脳科学や心理学などに基づく心理的サポートも重要であることが示されたとしています。


イメージ 1
リハビリ時に側坐核を不活性化させると、
大脳皮質運動野の神経活動が低下し、
手の巧緻性運動に障害が見られました

イメージ 2
脊髄損傷後の運動機能回復初期に
側坐核を活性化することで、
大脳皮質運動野の活動が高まり、
手の運動機能回復を促進しました


回復を促進するにはやる気が必要ということが言えますが、

やる気を出すには、側坐核に刺激を与えることが必要です。

刺激を与えるには、具体的に動くこと、作業することだそうで、
やる気の姿勢をみせることでも良いようです。
スポーツのウオーミングアップも、徐々にカラダを動かすことでやる気を出すという意味もあります。
 
手足を動かす、脳を使う、心身ともに動いて作業すると、側坐核が刺激されてドーパミンが出る。

するとやる気が出るので、ますます行動できる。
文句を言わずに「やる」。とりあえずやる。良いと思ったらやる。迷ったらやる。
カラダと頭使って動く。
すると側坐核が刺激されてドーパミンが出て、さらに動きにはずみがつくとのこと。

「為せば成る。成さねばならぬ何事も、為らぬは人のなさぬなりけり」
という上杉鷹山の言葉がありますが、
為す=行動する、成る=できるということのようです。
やればできる、ということですが、
行動すればやる気が出て、できないこともできるようになる、
という意味もあるようです。

しかし、”できないのはやる気がないからだ”と、すべてはやる気のせいにしないでいただきたいと思います。