皆さんこんにちは(^_^)
今回は、歯と認知症についてお話しさせていただきます。
皆さんは「歯」と言うと「食べ物を噛むために必要なもの」というイメージが強くないでしょうか?歯は、それ以外にも言葉を話すときに必要ですし、最近では認知症に関係するとも言われるようになりました。
「歯」と「認知症」がどのように関係するのでしょう??
物を噛む行為は、同時に脳を刺激するという事がわかっています。歯と歯を噛み合わせた時の刺激は、歯の根っこから脳に伝わり、その刺激は脳における感覚や運動、また記憶や思考、意欲を司っている部位の活性化に繋がります。
マウスを使った研究では、よく物を噛む事が出来る正常なマウスと、元々歯がなく柔らかい物しか食べられないマウスを比較しました。その結果、歯のないマウスの方には、大脳皮質にアルツハイマー型認知症の原因と考えられている物質が沈着し、老人斑が多数発生しました。さらに、記憶や学習能力に関わる海馬の細胞数が少なくなっている事が判明したのです。
老人斑は、脳の神経細胞から作られるたんぱく質が、ベータアミロイドというたんぱく質に変性して出来るものです。 ベータアミロイドは、普通ならたんぱく質なので問題はありません。しかし、変性して大脳皮質などの神経細胞が沈着すると老人斑となります。
そして、老人斑は、脳の神経細胞を圧迫して最終的には死滅させてしまいます。 神経細胞が死滅すれば、脳内のネットワークはどんどん破壊されていきます。今まで普通に記憶出来ていたことが、破壊された度合いによって出来なくなっていくのです。
つまり物をよく噛んで食べる事ができなければ、アルツハイマー型認知症を引き起こしてしまう確率が高くなるということになります。
現代では、歯が無くなった時の代替えとして、入れ歯やインプラントという選択肢もうまれていきています。入れ歯は昔と比べると装着時の違和感が軽減されたタイプのものも出ています。
歯を失ったあと、「歯が無くっても何とか食べられるし、大丈夫!」と言わず、認知症予防の為にも入れ歯の制作を検討して下さいね。
そして何より、歯を失わないために日頃からの口腔ケアが大切です!!
記事担当:ST勝見