脳は感情を後から意味づけをするクセを持っています。
古い哺乳類の脳では、本能を司る大脳辺縁系のみが備わっていました。
大脳辺縁系は何が良く何が悪いか、何が美しく何が酷いかを直感で判断しています。
直感は、古代では敵から身を守ったり、毒草などを回避したりするのに役立ちましたが、現代では、直感で行動すると「空気が読めない」といわれてしまいます。
人間は進化の過程で大脳辺縁系の周りに新しい脳である大脳皮質が作られたことで、言葉を使い、直感を後から意味づけするように進化したと考えられています。
ある心理学者は被験者に自分の悩みを紙に書いてもらいました。
対照群の被検者にはその他の話題を書いていただきました。
これを1日15分、連続4日間行い、その後の精神状態、健康状態を調査しました。
数ヵ月後のアンケートでは、
悩みを紙に書いた被験者のほとんどが悩みの否定的な感情を取り除けたとともに、自分自身を理解することができたと回答。
また、このように自己の洞察の深まりを示した被験者では、免疫反応が高まり、医療機関の受診回数が減少するという健康面での効果も認めました。
この結果を受け、これを「筆記開示」と名付けました。
その後の研究で、
メンタルを含めた健康に関しては
うつ状態や不安感、感情の起伏などが穏やかに
幸福感が高まり、マイナス感情が減少
免疫力UP
血圧低下
肺や肝臓、心臓などの内蔵機能の改善
不眠症患者の入眠までにかかる時間が短縮
健康以外では
記憶力向上
ワーキングメモリの働きが向上
ポジティブな感情がUP
嫌いな相手を許せるようになった
面接試験の合格率が約2倍(20%→42%)に上昇
筆記開示の方法
・鉛筆と紙を用意します。
・悩みを感じるままに書きます。不安に思うこと、怒っていること、悲しいことを書きます。文章が下手でも、誤字脱字もOKです。
・この文章は誰にもみせません。従って好きなように書いてください。
悩みがあるときは鉛筆とノートを手に取って、そして自分の悩みを書いてみて下さい。文章が連なるにつれて、悩みの輪郭が形成され、解決策が見えてくるそうです。
記事担当:部長さかもと