群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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高齢者は座る時間が長いと・・・

 60歳以上の高齢者では、座位行動時間が長いほど認知症発症率が高いことが、わかりました。

 

 アメリ南カリフォルニア大学のDavid A. Raichlen氏らが実施した研究です。JAMA誌2023年9月12日号掲載。

 

 活動量測定の段階で認知症の診断を受けておらず、60歳以上であった約5万人について解析しました。

 

 計5万人の背景は、平均年齢67.19歳、女性54.7%男性45.3%でした。

 

 平均追跡期間6.72±0.95年の間に、414人が認知症と診断されました。

 

 1日の平均座位行動時間と認知症発症との間に有意な非線形の関連が認められた。

 

 1日の平均座位行動時間の中央値9.27時間/日に対する認知症のハザード比(HR)は、10時間/日で1.08(95%信頼区間[CI]:1.04~1.12、p<0.001)、12時間/日で1.63(1.35~1.97、p<0.001)、15時間/日で3.21(2.05~5.04、p<0.001)でした。

 

 また、1,000人年当たりの認知症発症頻度は、9.27時間/日で7.49(95%CI:7.48~7.49)、10時間/日で8.06(7.76~8.36)、12時間/日で12.00(10.00~14.36)、15時間/日で22.74(14.92~34.11)でした。

 

 一日の座位時間が10時間以内ではほとんど認知症発症への影響を与えませんが、10時間を超えてくるとハザード比が少しづつ上がってきます。

 

 一日8時間寝るとして座位時間を10時間とすると、立位や歩行に6時間程度。一日の活動時間を6時間と考えて活動していただければ、認知症になりにくいようです。

 高齢者には、「きょういく」と「きょうよう」と「ちょきん」が必要です。

 

                            記事担当:部長さかもと