その予防や発症を遅らせる可能性のある生活要因の特定は、広く研究されていますが、その要因の1つにコーヒーの摂取量があります。
コーヒー摂取量がアルツハイマー病リスクに及ぼす影響について、システマティックレビューとメタ解析を実施しました。
その結果、1日のコーヒー摂取が1~4杯でアルツハイマー病リスクの低減がみられましたが、4杯以上ではリスクが増加する可能性が示唆されました。
主な結果です。
11件の研究をメタ解析に含め、1日1~4杯のコーヒーを摂取する人は、アルツハイマー病の発症リスクが有意に低かった。
【1~2杯】RR:0.68、95%CI:0.54~0.83、I2=50.99%
【2~4杯】RR:0.79、95%CI:0.56~1.02、I2=71.79%
1日当たり4杯以上コーヒーを摂取する人は、アルツハイマー病の発症リスクの増加を認めた。
【4杯以上】RR:1.04、95%CI:0.91~1.17、I2=0.00%
南アフリカの研究でも、コーヒーの消費量が多いと、脳容積の低下が認められ、また認知症リスクが高まるとしており、こちらは1日6杯以上で認知症ORが53%上昇したとしています。
やはり、飲み過ぎも良くないと言えそうです。
日本の研究では、コーヒーの消費量が1日2~2.9杯(HR:0.69、95%CI:0.48~0.98)および1日3杯以上(HR:0.53、95%CI:0.31~0.89)の人は、0杯の人と比較しHRが低かったとのことでした。この研究ではコーヒー摂取量が増えるほど、アルツハイマー病のリスクが下がっていますが、他の研究なども合わせてみると、一日3杯を超えるところくらいで発症リスクが上がってくる印象があります。
コーヒーの摂取は、一日2杯前後を維持することができると、アルツハイマー病の発症リスクを低く抑えることができそうだといえそうです。
引用:Irin Sultana Nila, Vanina Myuriel Villagra Moran, Zeeshan Ahmad Khan, Yonggeun Hong:Effect of Daily Coffee Consumption on the Risk of Alzheimer's Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Lifestyle Medicine
記事担当:部長さかもと