リハビリに関わる療法士のみなさん。
Minimal clinically important difference(MCID)って聞いたことがありますか?
直訳では、最小の臨床で重要な違い?ですかね。
MCIDとは治療の有効性が得られたと判断できる評価尺度の変化量であり,治療による変化量がMCIDを上回っていれば,意味のある変化が生じたと判断することができるものです。
わかりにくいので、簡単に示すと、「臨床上意味のある最小の変化量」のことで、この数値を上回った改善を示すと、改善したといえるものです。
この数値で一番有名なのは、脳卒中患者さんの歩行速度の改善量で、0.16m/secがMCIDとされます。
人間、同じ速度で歩く事など不可能ですから、この数値以上改善をした場合に、改善したといえるようになります。
回復期リハ病棟入院料1~2では、入院時の看護必要度、もしくはFIMで重症者割合を示し、重症者の改善も、16点以上を重症者改善率として示しています。
では、この16点、MCIDを参考にしたものなんでしょうか。
違います。
回復期リハ病棟を通過した患者さんの看護必要度B項目が10点以上の重症者が4点改善すると、これを重症者改善率として示しますが、この10点に対応するFIMが55点で、看護必要度が4点改善すると、おおよそFIM合計が16点改善することから、この数値が使われています。
重症者改善率は3割以上示さないと、回復期として成立することが難しいので、今更改善率は示しませんが、今日は先ほど示した、MCIDを超える改善を示す症例はどの位いるのかを示したいと思います。今回は重症者だけでなくすべての脳卒中患者で、過去6ヶ月、130例です。
改善率は55%を超えました。
入院時に改善の残り幅が22点よりも少ない軽症例も含んでいますので、この結果は凄いといえるでしょう。
ちなみに、FIMが22点以上改善できない高得点者は12例あり、これを除いて再計算すると、改善率は6割を超えました。
この数字をどう見るかはあなた次第ですが、我々はベストを尽くします。
記事担当:部長さかもと