こんにちは。
最近の悩みは、「お嬢ちゃん」とか「高校生?」と言われ、お子様に見られてしまうこと。
なので、服の系統や髪型、髪色をかえて自分磨きをしている田沼です。
前回、意欲とモチベーションについてお話しさせていただきましたが、今回は成功体験についてです。私がリハビリで意識している事の1つなので紹介させていただきます。
人間は失敗体験から多くを学ぶことが出来ると言いますが、リハビリテーションの場面では、失敗体験はそれ以後の行動を抑制させてしまう可能性もあり、成功体験を積ませることの方が大切だという意見があります。
成功体験を重ねると、「側坐核」という、報酬に強く関連する脳部位が働きます。
側坐核はやる気スイッチの部位とも言われており、成功体験が、次の新しいチャレンジや行動を促進することが考えられます。
そこで、「またリハビリがしたい」と思えるような成功体験を導くコツをいくつか紹介します。
・介入方法
介入の方法 |
具体的な内容 |
口頭指示 |
動作の手順などを口頭で説明する |
文字での指示 |
文字で動作の手順などを示す |
ハンドリング |
PT・OTが動作に必要な重心移動などを手伝う |
視覚的な補助 |
テープや線を利用して動作の目印を示す |
鏡の利用 |
鏡を見てもらいながら動作の範囲を確認してもらう |
ブザー |
適切な動作の範囲がくるとブザーを鳴らす |
以上のように、さまざまな介入方法の工夫があります。
口頭指示にくらべて、文字での指示は理解をしやすかったり、何度も自分で確認できるため成功を導きやすい刺激となります。
また、PT・OTの適切なハンドリングは、正しい動作を体験するには、とても良い刺激になります。口頭指示で失敗する場合は、文字で示すなどの工夫をして、失敗をしないようにすることで、「できる」という体験を促すことが意欲を引き出すコツです。
出来ない部分を成功させる介入を続けていくとしても、自分でできるようになるためには、徐々にプログラムの難易度を変える必要があります。
一気に難易度を高めるのではなく、段階的に難易度を上げていくことが大切です。
・プラス面に注目してしっかり褒める
PT・OTはリハビリで「できない部分」に注目して注意や指示をしがちです。
しかし、あくまでフィードバックは「できる部分」にしっかり注目して、「ほめる」ことで強化刺激になり、またリハビリをしたいという気持ちを引き出せます。
・細かく分けた課題を点数化して具体的にフィードバック
介入の例として細かく課題を分ける方法を紹介しましたが、その課題を点数化することで、FIMなどのADL評価表とくらべて、より具体的なフィードバックができます。
その際、「ハンドリングによる介助は1点、口頭指示は2点、指示なしは3点」というように、介助量でも点数に差をつけると、点数の変化がでやすく、「改善した」という結果が現れやすくなります。
・ほめ方のバリエーションを持とう
点数化による具体的なフィードバックのほかにも、いろいろなほめ方のバリエーションがあります。
患者さんに合ったフィードバック方法を試してみましょう。
フィードバックの方法 |
具体的な内容 |
言葉で伝える |
「上手です」など言葉でほめる |
表情、拍手、うなずきなどジェスチャーでほめる |
|
点数で示す |
点数化して結果を示す |
報酬を与える |
好きなもの、賞状、休憩など |
誰でも成功したときは嬉しさを感じると思います。その成功体験が長いリハビリ生活のなかで1つのモチベーションの維持に繋がればいいなと思っています。
記事担当:PT田沼