歩行速度を上げると、転びやすくなって危険。だからゆっくりと歩く事を身につけてもらう。
昔は良く言われました(*^O^*)。
しかし現在、歩行速度は高い方が自立度が高くなり、麻痺などの機能改善も期待できます。
転倒リスクと歩行速度のグラフは、U字曲線といわれますので、速度1.0~1.2m/sec位をU字の底として、それ以上速度が上がれば転倒リスクが増えますが、リハビリで対象にするのは、1.0m/sec前後なので、これ以上速度を上げなければ、転倒リスクも上がらないと思います。むしろ、速度がそこまで上がらずに転倒リスクの高い状態にある症例を多く経験します。
また、歩行速度増大のために、歩幅拡大なのかピッチ増大なのか問題にも決着がついていまして、歩幅拡大が必要とされるアプローチといえます。
さらに、下の図に示す角度TLAを大きくする事が、歩行速度拡大に最も影響するという、結果も出ています。
難しくなるので力学的解説はしませんが、簡単にいうと歩幅を伸ばすことで歩行速度が大きくなることの裏付けともいえます。
(英語の意味とか)
歩幅を10cm伸ばすと、筋活動も大きく拡大することを示している論文もあり、受動的に歩幅が伸ばされたとしても、それに対応して筋活動を高めたり、バランスを取ったりという副次的に対応することが必要なので、刺激の強いリハビリができます。
短時間で難しい事を沢山話しすぎましたが、ここのところ歩行アシストによる介入で、アシストした途端に歩きが大きく変わった症例を多く経験しました。
作用機序は動作を見ながらセラピストが考えてもらうこととして、人工関節、脳卒中、失調、パーキンソン病などには使ってみることとお勧めします。
まだまだ、HONDA歩行アシストの可能性は広がっていきそうです。
記事担当:部長さかもと