群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

ドラマ「コード・ブルー」が大好きです

娘とDVDを借りにいった。

6歳の女の子が選んだのは、まさかのドラマ 「コード・ブルー」 だった。

 

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フライトドクターの研修医達の苦悩と成長を通して救急救命、医療全体、人間模様と幅広いテーマを訴える人気ドラマである。

 

このドラマの1stシーズンが始まった2008年、私が理学療法士として駆けだしであり、彼らの苦悩と自分を重ね、力をもらっていた記憶がある。

以来、全シーズン何度も見返すほどの大ファンである。

 

そんなコードブルーに嫌いな回がある。

 

脳死診断を受けた男児の母親から承諾書にサインをもらわずに人工呼吸器を止めたことから医療過誤を問われる回である。

 

“結果が全て”

助けられれば勇敢で、助からなければ過ちとされる。

“患者のため”

そう想い患者と向き合っているはずのなに、時に結果次第で過誤とされる。

 

 

私がなぜ、この回が嫌いか。

唯一、このドラマから力を貰えず、逆に恐ろしくなるからだ。

リハビリにおいても共感できる部分なのだ。

 

何が恐ろしいのか?

リハビリ中に患者さんに急変が起こることは確かに怖い。

ただ、そうではなく、リスクを嫌って決して攻めない姿勢は、結果として事故を起こさず、過誤と責任を問われることもない。

しかし、少しでも良くなる可能性が見えぬまま退院していく。

リハビリの成果に明確な明暗をつけられないことが、リハビリの結果を曖昧なものとしている気がするのである。

 

もっと頑張れたのでは?

もっとできることがあったのでは?

そう想う反面に、

 

“あれがあの患者さんの限界だった。あれ以上攻めてもリスクでしかない”

そう言い訳できてしまう。

 

その自分の考えに気付かされることが恐ろしい。

 

 

あきらめること、言い訳することに慣れてくると、だんだんと“〇〇さんという患者”と向き合うことから離れ、“〇〇病の症例”と捉えはじめる。

少し経験を積んだころに感じたあの感覚。

 

今は常に目の前の患者さんのこれまでの半生まで含めて人生に向き合うことを意識する。

そうしないと忘れてしまうのだ。

我々、リハビリ職は、“患者の人生と向き合う仕事”だということを。

 

 

だから、勉強するのだ。技術を上げるのだ。

でも大事なのは、患者にしっかり向き合う心だろう

 

なぜコードブルーが好きか・・・

いつもそれを思い出させてくれるからである。

 

                        記事担当:PTやまざき

脳卒中リスクに対する歩行時間の保護作用

1998~2000年からイギリスの健康な男性3000人あまりを11年間追跡調査した。

高齢男性の歩行時間と脳卒中リスクとの関係を調査し、以下の傾向を掴むことができたそうです。

 

・歩行時間が週に0~3時間の方に比べ、8~21時間の方は脳卒中リスクが3割低下し、週に22時間以上歩行する者の脳卒中リスクは6割低下した。

・この傾向は歩行の速度などに依らない。

 

距離やスピードではなく、週に何時間歩くかが脳卒中リスクに影響することがわかったとのこと。

 

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       グラフはさかもとが作成(単位は週あたりの時間)

 

年齢40~59歳の男性で、

週に25時間くらいまでの歩行は、脳卒中リスクを下げる意味がありそうで、

1日1~2時間の歩行は、脳卒中リスクを3~4割下げる効果があるものと考えられます。

 

速く歩かなくても良いとの事なので、散歩が脳卒中予防や再発予防のためにも使えそうですね。

 

引用文献

Protective Effect of Time Spent Walking on Risk of Stroke in Older Men.

                   Barbara J. Jefferis他 STROKEAHA

 

面会禁止の根拠はここに

 申し訳ありません。もうしばらく面会禁止は続きそうです。

 

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 こちらは県のガイドラインですが、本日まで警戒度3。明日から警戒度2になる予定です。

 

 しかし、○をつけたところをご覧ください。

 高齢者施設、病院等での面会は禁止となっています。

 これは、学校の分散登校と同じ段階ですので、学校が通常登校を始めれば、同時期に面会禁止は解除となるはずです。

 

 県で決めたガイドラインですので、医療機関はこれに従った対応となると考えられます。

 

 もう少しお待ちください。

 

 

6月12日追記(面会制限継続のお知らせ)

 

 当院は原町赤十字病院など、吾妻郡内の医療機関と感染防止対策で連携を行っています。

 

 13日から、全県で警戒度1にするという知事からのアナウンスがありました。

 

 予定どおりであれば、面会が再開されるところですが、今のところ吾妻郡で一斉に面会開始とはなりそうもありません。

 

 山本知事も、面会○としながらも、オンライン面会を優先的に検討すべきとしており、こちらについて当院でも検討段階に入っております。

 

 長期に渡っての面会制限で、ご迷惑をお掛けしておりますが、患者さんは着実に良くなっていますので、ご安心ください。                                                          https://lh3.googleusercontent.com/proxy/4efiq1-C88O7lJlRqLekmYGM2K7VJkO2X18EYuIWcuFcDxeEgELNsVsKoq-DabQ7zIuIHsBIn3QbGheUYhQc10lDpWs8cMeT06T7om08Iz5z9TfD7gux2kJ9iYM

 コロナ禍での医療機関の面会等の制限については準備や話し合いを重ねておりますが、未だ不十分な点が拭い去れません。今しばらくご協力いただきますようお願い申し上げます。

 

                        記事担当:部長さかもと

 

歩行アシストのタブレット

 歩行アシストのコントロールを行うためのタブレットですが、使おうとしたところ中文(中国語)が出てきてしまい、意味がわからなくなりました。これNECなのに。

 

 冷静に考えれば、この時点でHONDAに連絡すれば、何事もなく使えていたはずなのですが、、、

 

 何を思ったのか、変なところをいじり、たまたまそれが初期化だったらしく、すべてのデータが飛んでいきました。

 

 それからHONDAにメールで連絡したところ、、、

わずか10分で、カスタマーセンターから連絡をいただきました。

 

 流石、一部上場企業は違う。しかも、私がデータを飛ばしたので、何の申し開きも出来ませんが、HONDAさんは、”ご迷惑をお掛けして申し訳ありません”とのこと。

 この対応に不覚にも泣きそうになりました(T-T)。

 

 すぐに代替機を送っていただき、翌日昼にはもう歩行アシストが使えるようになっています。さすがは世界のHONDAです。

 

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 まめにバックアップをとる習慣がなかったので、昨年11月まで遡ってしまいましたが、復旧することも出来ました。

 

 股関節角度と連動した画像データは残っていませんが、歩行動画は別の端末で撮っていますので、全部残っています。

 

 今日からは通常通り利用可能です。当院の患者さんにも、ご迷惑をお掛け致しました。

 

 これからはまめなバックアップをみんなで心がけていきたいと思いますので、PT室はご協力ください。

 

                        記事担当:部長さかもと

群馬県言語聴覚士会新人症例発表中止

群馬県言語聴覚士会では新人研修プログラムという研修があります。

 

その成果を総会で発表するのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となってしまいました。新人さんの立派な姿が見られず残念でした。

 

私も新人の時に経験し、この時期になるととても緊張したことを思い出します。たくさんの先輩方の前での発表はとても緊張しましたが、先輩方からの意見や同期の頑張りも見えたので良い経験となっています。

 

今年は発表はみられませんでしたが、新人さんの成果が詰まった抄録集が配布されましたので読みたいと思います。

 

今はしっかり感染対策し安心して会える日が来るように生活したいと思います。

マスクも少しずつ見られるようになってきました。

 

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                            記事:ST金井

加齢に伴う筋肉減少症(サルコペニア)

 加齢に伴って、筋肉の量と力が低下し、特に移動(歩行)などの運動機能が低下する事をいいます。

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 運動やリハビリは、身体機能に障害が出る時期を遅らせる可能性があります。

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 サルコペニアは上の図のように要介護状態に陥る可能性を秘めています。まずはサルコペニアに対する知識を持たないと、予防も出来ないでしょう。

 

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 サルコペニアに関連する項目を3つ挙げると、週2回30分以上の運動、毎日4食品群・固いものがかめる、サークルなどに2つ以上参加があります。

 

 このうち2つ出来ないと、2倍以上サルコペニアになりやすく、3つとも該当しないと3.5倍なりやすいようです。

 

 筋トレが流行っていますが、なにもみんなでボディービルダーを目指す必要はありません。

 年齢に関わらず、運動・栄養・社会参加は一定以上に保ち、その先にある要介護リスクを小さくすることが大切だと思います。

 

                            記事:さかもと

「鏡が見てきたもの」

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リハビリ室の片隅に、いつでも立っているこの鏡。

 

姿勢鏡という。

 

私が入職した時も、今も変わらず立ち続けるリハビリ室の大先輩である。

 

 

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おそらく備品として納品された日付であろう。

 

昭和48年は1973年である。御年47歳。

 

立派な大先輩である。

 

少々当院の理学療法室の変還を振り返ってみた。

 

初めて当院に作業療法士が就任したのが昭和49年、

理学療法士は昭和57年のことであった。

 

鏡が納品された昭和48年、この当時、理学療法士は全国に1500人程しかいなかった。

 

今現在、180000人を超えるまでに至り、リハビリテーション、さらには理学療法士知名度は随分と高まっている。

 

平成6年には300床、理学療法士が5人となり、理学療法士1人対60床の割合であったのが、現在、196床、理学療法士60人となり、割合は1人:3床ほどとなった。すなわち、当時より密なリハビリが提供できる体制に大きく飛躍してきたわけだ。

 

こうして歴史を振り返ってみると、何とも感慨深いものがある。

 

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拝啓

 

リハビリ室の姿勢鏡殿

 

私達が毎日、患者さんと向き合う姿があなたにはどう写っていますでしょうか。

随分と大所帯になりました。

 

活気があり、笑い声が聞こえる明るいリハビリ室を、あなたは今日も微笑ましく見守ってくれていることでしょう。

 

これからも、さらに一層、患者さんの笑顔が絶えないリハビリをできるよう一同精進してまいります。

 

                                 敬具

 

                 

                          記事担当:やまざき

 

 

堅い話だけど、大事な「目標」

 リハビリでも目標設定は大切とされます。リハ総合実施計画書などでも目標が設定されるようになりました。

 

 目標設定とは、達成までのロードマップです。やる気の源とも言われます。

 まず重要なことは「目指すこと」です。

 目指した場所に到達できないこともありますが、そもそも目指さなければたどり着く可能性は全くありません。計画してこそ、その先に達成があるのです。

    

 例えば、コンビニエンスストアに行こうとして出かけることがあると思います。

 しかし、とりあえず外に出かけたとしてもコンビニに着くことはありませんし、店に入ることもないでしょう。これは、コンビニに行くことを目標にしていないからです。

 

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 正しい目標設定はリハビリを効率的に行うことに繋がります。ゴールが明確になり、行動しやすくなるためです。人ははっきりした行動指針があれば動きやすくなります。

 明確な目標がないと、自分の行動が何に向かっているのかがわからなくなり、パフォーマンスを十分に発揮することができません。また実際に目標まであとどれくらいの努力が必要なのかもわからなくなり、やる気を保つことができません。

 従って、正しい目標設定ができるだけで、努力がしやすくなり、そしてその努力も成果に繋がりやすくなります。

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 明確で具体性を持った目標は、曖昧な目標よりも高いモチベーションを持てるそうで、何の為にする必要があるか、その活動が何の意味を持っているか、を明確にした場合と、何も知らされずに動作を遂行した場合とでは、明らかに意味を明確にした場合の方が人は高いモチベーションを持つことが出来るそうです。また、「精一杯努力して」「頑張って」「出来るだけ多く」というあいまいな目標よりも、具体的に「1日100回実施」などの目標を設定してはじめて、個人の意欲と行動が喚起されるそうだ。

 

 高い目標を持つことが大事だと言う人がいます。一見、最初に大きな理想を掲げ、取り組むことは良いことのように見えますが、残念ながら一時的にしか効果を発揮できない場合が多いようです。

 高すぎる目標は現実的ではなく、努力が続かない可能性も高くなります。

 一方で低すぎる目標も意味がありません。自分ができることを目標にしていては成長の余地がなく、やる気も出ません。

 

 目標設定は、少し背伸びをするくらいが良いでしょう。

 自分が行動で“やれそうだ”というイメージが持てると、モチベーション高く取り組むことができます。

 こうやって少しずつ目標達成を積み重ねることで、その先の中目標・大目標の達成が見えてきます。小さな成功体験や実績を重ねることが重要です。

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 理想を現実にするためには、自分がより成長していることを実感することが必要です。自分から主体的に目標を立てて、達成をしていくことが一番の近道だそうですので、まずは周りには左右されずに自分自身の目標をたてましょう。

 そして必ずポジティブな目標を設定し、達成に向けて進みます。自身で目標を決めたら、是非セラピストにも教えてください。これを共有することによって、同じモノが目指せます。

 

                            記事:さかもと

【願い込められ泳いでいます★】

5月になり、暑い日も増えてきましたね!

ただいまの沢渡は新緑でとてもさわやかな景色が広がっております。

 

そんな中、リハビリ室の壁も日々変化しております。

5月は、みんなでせっせと鯉のぼりを作成しました。

皆様の、アイデアや個性が光っており、同じ素材を使っても同じ物は1つも無く、

塗り絵(色鉛筆・クレヨン・絵の具・ペン)貼り絵(折り紙・お花紙)と

たくさんの鯉のぼり達が泳いでおります。

 

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たくさんの鯉のぼりをどのように飾ったら良いか考えていたところ、1人の患者さんが「菖蒲の花の上に泳がせたらいいよ」とナイスなアイデアを下さいました。

おかげさまでリハビリ室に素敵なフォトスポットが出来上がりました。

 

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こちらは患者さんのご依頼に応え、車椅子に装着versionです。

沢山の患者さんやスタッフに声をかけてもらえ、とても嬉しそうでした。

 

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端午の節句に飾る鯉のぼりには、色々な意味や願いがあるようですが、一説には【人生という流れの中で遭遇する難関を鯉のように突破して立身出世して欲しい】、【健康にすくすく育って欲しい】という親の願いが込められている様です。

 

当院のリハビリ室の鯉のぼりは、患者さんの回復をお祈りして飾らせて頂きました。

 

次なる案もいろいろと話が挙がっております。

これからも変化する「リハビリ室の壁」どうぞお楽しみに!!

 

                                                             記事担当:OT蜂巣

 

◎つらく厳しいリハビリを楽に楽しく行う工夫

 はじめまして理学療法室室長代行の安齋と申します。

 

 機関誌(季刊誌?)なるものの原稿を記載していたところ、私の早とちりで没となったため、部長に懇願してリハブログに載せて頂くことになりました。

 

 【つらく厳しいリハビリを楽に楽しくする工夫】というお題でしたので当院が使用している足こぎ車椅子に関してお伝えできればと思います。

 

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 当院ではTESS社のProfhand(現cogy)を使用しております。

 この製品の特徴は歩行困難な方や虚弱な方でも駆動が可能である点にあります。

 当院でも様々な疾患の方にご使用頂いておりますが感想をお聞きすると一様に「楽しかった」と返答される方が多くいらっしゃいます。

 自由に動く体力がなくなってきた方にとって楽に移動できることや早足程度の速度を感じられることは喜びのひとつであろうかと思います。

 リハビリの効果としては麻痺があっても内側広筋という腿の筋肉の活動が促せるという報告がされており、当院でも即時的効果が認められました。

 図-1は使用前後での膝関節自動伸展角度です。

 写真の症例では使用後の方が5°膝関節が伸びるようになりました。図-2はNHKWORLDで放映された脳卒中の症例16名を対象に行った我々の研究ですが、通常リハビリで行われるKicking群と比較したところ足こぎ車椅子を使用した群の方がリハビリ後の膝伸展自動角度が有意に変化したというものです。

 

 我々も筋力強化や促通練習といった方法で同様な効果を導くことができますが、それには正しい動きを数多く行う必要があると言われています。

 この機器では100mを漕ぐのに約230回程度のペダリングが必要とされます。

 しかし我々が「230回筋力強化練習をしましょう」と患者さんに提案したら、患者さんも我々も疲弊してしまいます。

 

 【患者さんが楽にリハビリができて、尚且つ楽しさを感じることができる】

 

 このような方法を数多く提供し、効果検証していくことで患者さんの心身に負担の少ないリハビリを提供できるようになると考えています。

 

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図-1

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図-2

                             PTあんざい