群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

理学療法士の使い方

生活の中で歩くには、動くことと考えることの課題を一緒に行う能力(二重課題の遂行)が必要です。


脳卒中慢性期患者に対して行った研究があります。


脳卒中患者に対して(脳卒中発症からの期間平均75ヶ月)、二重課題と単独課題、また上肢訓練(コントロール)に割り当て、週3回の60分の課題を行いました。
 訓練は8週間実施し、訓練後6ヶ月間の転倒発生率を調査しました。

二重課題は歩きながら認知課題を


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単独課題は座ったまま認知課題、もしくは動作課題のどちらかを

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コントロール群は上肢訓練のみ行いました。
 
結果は、
二重課題認知の能力は練習しても、有意な変化を示しませんでしたが、(変わらなかった)


二重課題群では,6ヶ月間の追跡期間中の転倒と外傷のリスクを25.0%22.2%低減したとのこと。


つまり、認知機能の変化はなかったけれども、転倒や怪我が減りました。


 歩く際には,意図的に脚を動かしながら歩くこともありますが、多くの場合、無意識での半自動的な運動です。


つまり,会話しながらでも歩くことはできます。
 
 患者さんは歩行中に話しかけると立ち止まってしまうことがあります。これは、並列作業がしにくいことを示しています。

逆に運動機能の側面からは二重課題での歩行の評価が転倒リスクを予測するという研究もあります。
この研究は,ながら歩きの介入が有効であることを示しています。

ただ、黙々と歩いたり、段差を超えたり、下りたりする練習をするよりも、会話をしながら、別のことを考えながら歩く練習をした方が、バランスや転倒予防に有効なようです。

この際には是非、理学療法士をご活用ください。

Marco Yiu Chung Pang et.al:
Dual-Task Exercise Reduces Cognitive-MotorInterference in Walking and Falls After StrokeA Randomized Controlled Study,Stroke. 2018 Dec;49(12):2990-2998

記事担当:さかもと