高齢者が亡くなる原因として、一番多いのが肺炎です。
中でも、多くを占めるといわれるのが、食べ物や唾液が誤って肺に入っておこる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。
これには歯周病菌も大きな原因と考えられます。
誤嚥(ごえん)とは、誤って食べ物を飲み込むことをいいます。
本来食べ物は、口から食道を経て胃へ送られますが、
誤って気道から肺へ食べ物や唾液が送り込まれることがあります。
その食べ物に歯周病菌などが着いていると、その菌が原因となって肺炎を起こすことがあります。これを誤嚥性肺炎といいます。
特に寝たきりの高齢者に多くみられる誤嚥性肺炎ですが、
口の中が細菌の少ないきれいな状態であれば肺炎に罹患するリスク(危険に遭う可能性)を減らせます。
私たちリハビリ病院でも、口腔ケアの必要性を早くから訴え、
看護師や言語聴覚士(歯科衛生士)などにより、患者さんの口腔内の清潔に努めています。
これにより歯周病を予防することで、肺炎を防ぐ事で延命にもつながるものと考えています。
上の図は口腔ケアをしっかり行うことで肺炎の罹患率が8%下がったという報告です。嚥下障害が見られる方では、複数回罹患してしまうケースもあります。
口腔内の清潔を保ち、肺炎による体力低下は極力未然に防ぎたいものです。
もし、肺炎になってしてしまい、体力の低下が著しく、日常生活活動に支障が見られた場合は、当院の入院係にご相談ください。