広島大学の報告です。
65-84歳の地域在住高齢者を対象としたコホート研究(グループを追跡して、健康状態の変化を調べる研究)の結果、主観的な咀嚼能力および咀嚼習慣は身体機能の低下と関連することが明らかとなりました。
対象者146人(男性77人、女性69人)のうち、30人(20.5%)において1年間で身体機能の低下がみられました。
性別や年齢といった対象者の背景の差を調整後、身体機能と咀嚼能力および咀嚼習慣の関連を解析したところ、主観的に咬合状態が不良であること(オッズ比6.00 、95%信頼区間1.44–25.05)、および咀嚼習慣が不良であること(同6.49 、2.45–17.22)は1年後の身体機能の低下に影響を及ぼしていました。
咀嚼能力および咀嚼習慣を良好な状態に保つことは、高齢者の身体機能の維持に寄与する可能性があると考えられます。
地域に暮らす自立高齢者における咀嚼能力および咀嚼習慣は1年後の身体機能と関連していました。高齢者の身体機能を維持するためには、咀嚼能力だけでなく咀嚼習慣にも配慮した介入が必要であるとしています。
かみ合わせが悪いと思っていると6倍、良く噛んで食べることができていないと6.49倍、身体機能が低下しやすいということがわかったようです。
フレイル、オーラルフレイルともに、関係が深いもののようですので、固いものを食べる事や、自分の歯または入れ歯で左右の奥歯をかみしめられ、ゆっくりよく噛んで食事ができることなどを維持していきたいものですね。
記事担当:部長さかもと