人工甘味料は、砂糖よりも低カロリーで、少量でも甘味が強いため、摂取カロリーの節減や摂取後の血糖値の上昇を抑制する効果が期待されます。
ある国の学会でも人工甘味料に関する声明を発表し、砂糖の代わりに人工甘味料を使用することで肥満・糖尿病の予防や治療に有用な可能性がある、と提言されていました。
「砂糖不使用」や「ゼロカロリー」をアピールする人工甘味料使用食品は数多く存在しており、カロリー過多を気にする人々からの人気を集めています。
しかし、世界保健機関(WHO)が2023年5月15日に発表したガイドラインでは、人工甘味料の使用が減量に長期的な影響を及ぼさないばかりか、糖尿病や心血管疾患の発症リスクを高めることが示されました。
人工甘味料は砂糖のような自然に存在するものと異なり、人工的に化学合成された甘味料です。代表的なものとしてアスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロースがあります。
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンの2種類のアミノ酸を縮合させて製造されるアミノ酸系甘味料で、1グラム当たりのカロリーは、砂糖と同様の4キロカロリーであるが、甘味度は砂糖の200倍であるため、砂糖と比べて少量で甘味を実現でき低カロリーにつながります。
アセスルファムKは、同様に低カロリーであるが、1グラム当たりのカロリーは0キロカロリーで、甘味度は砂糖の200倍です。
スクラロースの甘味度は砂糖の600倍あり、1グラム当たりのカロリーはやはり0キロカロリーです。
これらの人工甘味料は、苦みが少なく、甘みの持続が長く、熱に安定し、水に溶けやすいなどの特徴があり、主にダイエット清涼飲料水や減糖タイプのコーヒーなどの飲料、ガムなどの菓子類に使用されています。
人工甘味料にはブドウ糖は含まないため、人工甘味料を摂取しても血糖値は上昇しないので、ダイエット清涼飲料水で糖尿病を予防できそうですが、そうはいかず、金沢医科大学の報告では、ダイエット清涼飲料水が、糖尿病発症と関係することが指摘されています。
一日一杯より多く多くダイエット清涼飲料を摂取する人は、飲まない人に比べ7年間で1.7倍糖尿病の発症危険度が高いという結果が出ています。
ダイエット飲料という言葉に飛びつくと、ダイエットはできるかもしれないけど、糖尿病にはなりやすくなるようです。
清涼飲料水全般に、糖尿病になりやすいといえると思いますので、どうしても飲みたい場合でも、一日一杯未満にとどめた方が良さそうですね。
記事担当:部長さかもと