労働災害って意外に多いです。こんなの自分には関係ないって思うかもしれませんが、我々医療職でも労災は結構あります。
下に事故に関連する労災の割合を示しますが、イメージし易い「機械に鋏まれた」とか、「工事現場で転落した」などは、そんなに大きな割合を占めていません。
さらに、年齢と労働災害発生率を表したグラフです。
やはり年齢が高くなると、それだけ発生率が高くなることがわかります。
第三次産業では、人手不足ということもあり、高齢で働く方々が増えています。その結果、年齢と共に労働災害の割合が増えていきます。
加齢と共に視力の衰えや、反応時間の低下、筋力低下など、様々な理由で労働災害は年齢と共に増えます。
しかし、この中で特に注目いただきたいのは、上位1,2位を占めている、「転倒」と「動作の反動や無理な動作」です。
若い頃は、ちょっと転んだ、滑ったくらいで、大事に至ることはなかったでしょう。しかし、年齢と共にこのちょっとしたつまづき・滑りが骨折などに繋がる事が少なくありません。
これを防ぐ為に、仕事を継続するための体力、筋力の維持、さらにはどういう場面で事故が起きやすいかを知っておく事が大事だといわれます。
経験がモノをいう事を示すグラフがあります。
経験1年以上と未満を比較した労災の発生率です。明らかに年齢と共に経験が少ないと事故が起きやすい事がわかります。
労災なんて自分には関係ないと思われがちですが、どんなことに危険が潜んでいるのか知ること。転ぶ、滑るくらいでも大きな事故に繋がることがあること。年齢と共に身体や心の衰えを知り、体力維持を図ること。
これだけでも関心を持つと、健康で安全に働き続ける事に繋がると思います。
復職にあたっても、理学療法士がアドバイスできることがあると思いますので、ご相談いただきたいと思います。
記事担当:部長さかもと