先日のリハビリ中の出来事です。ひとやすみしましょうと女性の患者さんの腰をマッサージをしつつお話しをしていると、
「こんな風に腰を揉んで貰えるなんて私は本当に幸せ。おじいさん元気かしら。腰を痛くしていないかしら。」と他院で療養中の旦那様についてお話しをしてくださいました。
今回、ご自身が病気をするまでは、旦那様の介護をしていたとのこと、旦那様は少し物忘れが増えてきて怒りっぽくなったこと、でも、調子の良い日には、必ず自分の言動や行動にとまどい謝ってくれていたこと、などを話してくださいました。
旦那様がケガで急遽入院する事になる数日前に、いつものように2人で過ごしていると、
旦那様:「本当にいままで苦労をかけたね。でももしよかったら来世でも一緒になってくれるかい」と突然力強く言われたこと。嬉しすぎて返事が出来なかったけどとても嬉しかったし、結婚してから毎日大変だったけど幸せだったと聞かせてくださいました。
そして、ご自身が今回病気になったことで「自分の体が思い通りに動かないことはこんなにももどかしいのか。お通じが出ないことはこんなに苦しいことなのか。」と強く感じたそうです。
介護をする側の時には分からなかったけど、介護をされる側になると自分の体調や日々の忙しさを理由にして、お父さんの話をちゃんと聞いてなかったかもしれない。辛い思いをさせていたのかなと思ったそうです。
この話をしてくださった患者さん夫妻は共に90歳代の方です。家族の献身的な協力はありましたが、老々介護の大変さを感じました。
今回ブログを書くにあたり、貴重なお話しを参考にしたいことを伝えると、「役に立つかは分からないけど皆さんが何かを考える時のきっかけになれば是非使って下さい。」とお返事を頂きました。
『思いやりを持って、相手の立場になって考える』
言葉にするのは簡単かもしれませんが、実際に寄り添い続けていくことは大変な事です。
今回のお話を通じて、綺麗事ではありませんが入院中はもちろん、その先の人生の最後まで患者さんが少しでも楽しく穏やかに過ごせるように、お手伝いをさせていただけるよう頑張らないといけないと改めて感じました。
その為には、技術や知識を深め活かして行くことはもちろんですが、本人・家族の視点も持ちそこから作業療法士として携わっていきたいと感じました。
記事担当:OT関