杖を一本持って以下のように歩く方法を3動作歩行といいます。
以前は常時2点支持歩行と言っていましたが、最近はほぼ死語のようで、こういう表現をする学生さんも見かけなくなりました。
この絵では健脚が患脚と比べ、前に出ていますので”前型歩行”になっていますが、この歩き方をする方のほとんどはバランスが悪く、健脚を患脚と同じ位置まで振り出す”そろい型歩行”で歩かれています。
この歩き方では、患脚を振り出した長さで2歩を賄うため、平均歩幅は通常の半分になります。
また、杖を振り出す際には体が前に進む速さも止まり、速度0から患脚を前に振り出しながら進むため、止まる進むを繰り返すことになります。
安全に歩くためにこの歩き方になっている場合が多いですが、2動作に比べ、効率の悪い歩き方と言えます。
これに対し、2動作は以下の方法で歩きます。
昔は2点1点交互支持歩行と言いましたが、これも死語です(゜o゜;)。
この歩き方では前方への速度に変化はありますが、速度0になることがないため、3動作と比べると2倍以上の速度で歩く事ができます。
この動作方法では、患脚を見えないところで支えなくてはならないため、感覚障害がある患者さんでは難しい方が多い印象です。
2動作の方が効率的で速く歩くことができますが、どの歩き方を選択するかは療法士とよく相談の上、早期に練習を開始した方が良いと思います。
この二つの動作は運動学習から見ると全く別物だそうです。従って練習期間を確保するためにも早期にどちらの歩き方で歩くかを決めたほうが良いでしょう。