ちょっと専門的な話で恐縮です。
今日は歩くということについてです。
歩くということは、両脚を交互に振り出すという動作を示していますが、交互に振り出すということを考えれば、走ることと何が違うのかよくわからないのではないでしょうか。
単刀直入にいうと、走るとは、片脚だけで地面に接地する動作であり、歩くとは両脚同時に地面に足が着いている時間が存在する動作です。
こんな感じです。
青と緑の部分が両脚支持の時間帯を表していますが、この時間が正常歩行では歩行周期の10%を占めています(右足前+左足前=20%)。
この両脚支持時間割合は、歩行安定性が低くなると大きくなり、安定して歩け、歩行速度が増してくると10%に近づいて行きます。
従って、歩行の安定感がどう変わってきたか診るには参考となる数値でしょう。
ただしこの数値、歩行を横から撮影し、コマ送りをしながら足が離れるまでの時間や接地するまでの時間を計測するという地道な作業を20歩分ほど行ってから、結果を平均化します。
なかなか数字を求めることは困難ですが、歩行安定性の変化を捉えるにはよい指標だと思います。
追伸、今年ある大学との共同研究で、加速度計を用いた歩行動作解析装置をお借りしました。現在試用中ではありますが、歩行解析と患者さんへの説明ができるよう努力中ですので、後日PT室から報告があると思います。
記事担当:部長さかもと