群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。通常のリハビリに加え、早朝リハビリを施行。HAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなど、ロボットリハも稼働中。多くのリハスタッフで患者さんを担当させていただいております。

二動作歩行と三動作歩行

 杖を一本持って歩く方法には2つのタイプがあります。3動作と2動作歩行です。

 

 歩き方は、以下の絵の通りです。

(スミマセン絵が入れ替わってしまったので修正しました)

 また、数字の順に動作しているので左から右にみてください(^_^;。

 

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         杖と右足を同時、次に左足という2動作

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            杖、右足、左足の順に3動作

 

 3動作の場合、絵では左足が右足よりも先行していますが、実際には左右の足が揃う程度までしか振り出さない場合が多いです。(そろい型と言います)

 こう考えると、2動作が3動作になるだけで、歩行速度は1.5倍遅くなり、さらに三動作そろい型歩行の場合、二歩の振り出しでも一歩分しか進みませんし、両脚で体重を支えて前方への推進が止まる時間帯もあります。

 従って、理論上は二動作歩行と三動作歩行を比較すると3倍程度歩行速度に差がつくはずです。

 

そこでどのくらいの差があるモノか比較するため、実際にある研究のデータを、グラフにしてみました。

 

これは、若年の障害者の歩行速度平均値を、歩行様式(二動作、三動作)により比較したモノです。

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二動作と三動作では、2.5倍程度の速度差がありました。

 

下は高齢歩行自立障害者の歩行速度平均を歩行様式により比較したモノです。

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 高齢者では歩行様式により、歩行速度に2倍程度の差が出ています。

 

 理論値の3倍までの開きはありませんが、1,2,3と歩くより、1,2で歩みを進めた方がスムーズに歩けると言えそうです。

 特に3動作では、左足を揃える際に、一度停止してからまた動作を開始しなくてはならないので、効率が悪くなっているといえるでしょう。

 さらに、実際の歩行では足の運びだけでなく、体幹や頭部などが微妙なバランスを取りながら動作する必要がありますので、理論値までには至らなかったと考えられます。

 

 歩行時の恐怖感が強く、安定性を高めたいなら3動作歩行、歩行速度を高めたいなら2動作歩行を目指しますが、歩行速度が高い方が自立度も高いとも言われています。

 

 安全でスムーズに速く歩けることを目指し、患者さんと共に歩行練習を行っていきたいと思います。

 

                     記事担当:理学療法士さかもと