群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

下肢の捻れストレス

 東京農工大学帝京科学大学宇宙航空研究開発機構
下肢にじる捻じれストレスがまってしまう歩きを解
というプレスリリースを行いました(先月
)。

ヒトは、真っ直ぐ歩いていても骨盤や大腿骨、脛骨など、回旋運動をしています。歩行中の足は接地時、外側に回旋する傾向があります(図1)。
一方で、足底に生じる摩擦を利用して歩行の推進力を得ていますが、その際足の回旋運動を止めようと反対向きの力がかかります。
歩行では摩擦は必要不可欠な要素ですが、過度な摩擦は”悪い”ストレスになることが考えられます。コラーゲンから成る骨は、捻じれストレスに対して力学的に脆弱であることが知られています。摩擦によって生じる力であるフリーモーメントは足にかかる圧力を中心とした回転する力の強さと定義されています(図1)。

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近年ではフリーモーメントが大きくなってしまうと、長距離ランナーの脛骨疲労骨折や脛骨の捻じれ変形と関係があることが報告されています。
しかし、フリーモーメントの大小の歩き方という特徴は今までわかりませんでしたが、通常歩行でどんな歩き方をすると捻じれストレスが大きくなるかを明らかにするため、三次元動作解析装置を用いました。
歩行中、一歩毎に、骨盤は絶えず回旋し、足は摩擦によって床面に固定されます。歩行中のつま先の向き、骨盤回旋量といった歩行パラメータとフリーモーメントの大きさとの関係について解析を行いました。
解析した歩行パラメータのうち、足部と骨盤間の相対的な捻じれ量だけがフリーモーメントの大きさに影響を及ぼし、その捻じれ量が少ないとフリーモーメントが大きくなることがわかりました。足部と骨盤間の相対的な捻じれ運動は足が身体を支えている際に起こり、主に股関節を内側に向かって回旋させる運動で行われています。
つまり歩行中、反対の足へ重心が移る頃に股関節で内旋運動が生じない場合は下肢に生じる捻じれストレスが大きくなってしまうことが明らかになりました(図2)。

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以上の研究結果から、歩行時、地面を蹴り出す際に股関節の内旋運動が小さい人は下肢に生じる捻じれストレスが高くなってしまうことがわかりました。
今回の研究で捻じれストレスの指標としてのフリーモーメントはその人の歩き方の特徴を強く反映していることがわかりました。
下肢に生じる捻じれストレスは変形性膝関節症や前十字靭帯損傷といった疾患と関係があることが指摘されています。
ランナーの疲労骨折、変形性膝関節症、前十字靱帯損傷など、障害予防として今回の結果を考えることができそうです。