群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

研修会に参加しました(足部機能障害に対する理学療法)

先日、群馬県理学療法士協会主催の臨床講習会が群馬大学医学部で開催され、参加しました。
 
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 今回は、『足部機能障害に対する理学療法』というテーマでコンディション・ラボ(インソールとからだコンディショニング専門院)所長の園部 俊晴先生の講演でした。
 
園部先生は足・膝・股関節など、整形外科領域の下肢障害を専門としている理学療法士です。

 大勢の受講生がいました。
 
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 1番印象に残っていることは、仮説検証作業を繰り返すことが我々臨床家にとって最も重要なこと、とおっしゃっていたことです。

 例えば、痛みの原因を考え(仮説)、治療(検証)を行い、症状が改善すれば、仮説が正しかったことになります。

 理学療法士として、常に考え、治療を行い、また仮説をたてる、その繰り返しが大切なんだと改めて感じました。
約2時間の講演でしたが、とても貴重なお話が聞けました。


   記事担当:PT小山


専門家向け補足

臨床推論に基づく仮説検証作業

すべての医療過程は仮説検証作業といっても良く、例えば腰が痛いと来院した患者に対し、何も調べずにいきなり手術をするということはあり得ません。
適正な検査や評価を行った後、原因と必要な改善方法を仮説し、必要な治療(検証)を行います。このような医療で普通に行っている過程は、すべて臨床推論に基づく仮説検証作業を行っていると言えるでしょう。
運動機能障害を改善する際には、組織学と力学両面を基盤とする推論が臨床推論の主軸と言えます。
組織学的推論では、例えば膝の前に痛みがある場合、どの組織に損傷があるのか、どこに炎症があるのか、どこが硬いのか、どの条件で痛みが出るかを評価し、障害の原因について仮説を立てます。そして、その原因を改善するにはどういうアプローチをすれば良いかを考察し、検証を行います。この推論に基づく治療の為には、各関節で疼痛、可動域、筋出力などの問題が生じやすい部位と原因を理解し、病態把握のための評価技術が必要であり、さらに治療技術の理解も重要です。
力学的推論では、力学的ストレスの視点から仮説を立て、検証を行います。例えば同じく膝の前に痛みがある場合、膝関節にはどのような力学的ストレスが加わり、どの組織が伸ばされ、どこが圧迫され、どこが捻られているか、どの力学的条件で痛みが出るか等を評価し、障害の原因について仮説を立てます。そして原因改善のためにはどういったアプローチをすればよいか考察し、検証作業を行います。この推論を基に治療するためには、各関節に発生する関節モーメントや運動連鎖を理解しておくことと、その評価技術を修得し、問題点解決のための治療技術が必要なのか理解しておくことも大切です。
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 この二つの仮説検証作業は、どちらか一方ではなく臨床で実践を繰り返していくことが標準的な技術であり、臨床でのセラピストの成長に欠かせないとされています。
 この仮説と検証の作業を繰り返し「考える理学療法」ができるかどうかで、理学療法士の技能が決まるのかもしれません。


引用:園部俊晴 下肢機能障害のスタンダードテクニック 理学療法学43 supple.No1 2016