長時間座ることの多い仕事は健康リスクにどのように影響するのか。
台北医科大学のWayne Gao氏らによる研究の結果が、JAMA Network Open誌2024年1月に掲載されました。
3段階の職業的座位量(ほとんど座っている、座っている・いないを交互に繰り返す、ほとんど座っていない)と、全死因死亡率および心血管疾患(CVD)死亡率を調査しました。
48万例あまりを対象として、平均年齢は39.3歳、女性53.2%。平均追跡期間は12.85年、追跡期間中に2万6,257例が死亡しました。
性別、年齢、教育水準、喫煙歴、飲酒歴、肥満度の調整した結果、仕事中にほとんど座っている人はほとんど座っていない人に比べ、全死因死亡率が16%高く(HR:1.16、95%信頼区間[CI]:1.11~1.20)、CVD死亡率が34%高かった(HR:1.34、95%CI:1.22~1.46)。
仕事中に座っている・いないを交互に繰り返している人は、ほとんど座っていない人と比べても、全死因死亡率は増加しなかった。
ほとんど座っている人で、余暇時間における身体活動が少ない(1日15~29分)、またはまったくない(1日15分未満)人は、身体活動を各1日15分~30分増やすことで、ほとんど座っていない人と同程度まで死亡率が減少しています。
論文ってなかなか難しいですが、仕事中に座りっぱなしの人は、ほとんど座っていない人に比べ、全死亡率が16%高く、心血管死亡率が34%高くなると考えられます。
だから座りっぱなしは体に悪いというお話ですが、余暇時間に身体活動を1日30分に増やす事で、仕事中ほとんど座っている場合でも、死亡率の増加を防ぐことができたということです。
ホワイトカラーといわれる、身体活動量の低い仕事であっても、休みの日の運動量を増やすことで死亡リスクを減らすことができるというのは、救われた気がします。
余暇の運動を工夫してください。
Wayne Gao, Mattia Sanna et al .Occupational Sitting Time, Leisure Physical Activity, and All-Cause and Cardiovascular Disease Morta JAMA network open. 2024
記事担当:部長さかもと