群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

「編み物」

 皆さんこんにちは。10月も中旬となり、長く暑い日が続いた夏と比べ、寒い日が増えてきました。季節の変わり目で体調を崩すことも多い時期かと思います。皆さまは変わりなくお過ごしでしょうか?

 

 先日、患者さんから「時間があると横になっちゃうんだよね」とご飯やリハビリ以外の時間を持て余してしまうとの話をお聞きしました。何か空いている時間に出来ることはないかと考えたところ、編み物が出来るという話になり、丁度これからだんだんと寒くなる季節のため、編み物を始めてみることにしました。そこで、今回は編み物のリハビリへの効果についてお話ししようと思います。

 

                

 

 編み物は手指を細かく使い、手首を繊細に返す集中力も必要です。加齢と共に手指の巧緻性は低下すると言われていますが、編み物をしている方は巧緻性が保たれやすいといわれています。また、繰り返しの作業になるため、反復動作が心をリラックス状態に導き、瞑想と似た効果も期待できるとも言われています。

 

 患者さんとお話ししていると、「簡単なものならできるよ」と編み物をやったことがある方が多い印象です。当院のある吾妻は、冬はとても気温が下がり、雪が降るなど寒い地域だからこそかもしれません。若い頃によくやっていたことは体が覚えており、新しく何かを始めるよりもご本人が取り組みやすいといえます。かぎ針と毛糸があれば手軽に始めることが出来るのも良いところかと思います。また、単に手指のリハビリだけではなく、編み物をすることが日中の活動機会にもなり、昼に起きて夜に眠るという生活リズムを守ることにも繋がります。

 

 編み物などの手作業は、作ることがもちろん楽しみの一つになりますが、作ることだけではなく、出来上がったものを人に見せて褒められたり、誰かに贈って喜ぶ姿を見られたりと、満足感や達成感など効果が大きくなることも良いものだと思います。

 

            

 

 先日、編み物を始めた患者さんは、お世話になった方に向けて帽子を編み始めているところです。まだ、誰にあげるかは内緒で作っているとのことですが、何色が好きか、どのくらいの大きさがいいか等、情報を集めて作って行くことで、少しずつ形が見えてきました。完成するのがとても楽しみです。また、出来上がった帽子を渡したときにその方が喜んでくださるか今からドキドキしていらっしゃるようですが、その姿を見るのもとても楽しみです。

 

記事担当:OT下田