20年前に発表したものですが、一昨年度末の講話で使いました。
単純に、ある一定期間のうちで、転倒した患者さんの人数を、その時期の患者さんの歩行自立度別に分類したものです。
非常に粗い分類ですが、何か見えてくるものはないでしょうか。
当時、屋外歩行自立に至る患者さんが、全体の1/3以上はいらっしゃったように
記憶しています。
とすると、屋外歩行自立している患者さんが、転倒する確率はかなり低いといえるのではないでしょうか。(疾患は限定していません)
また、歩行自立度が高くなると、転倒リスクは低くなるといえそうです。
ベッド上自立は、起き上がりができるところから、屋内歩行自立するまでを含みますので、守備範囲は広いですが、この時期に転倒が一番おきやすいといえます。
高齢者では、転ぶことによって、頭を打ったり、骨折したりするという重い怪我のリスクを低くするために、医師やセラピストは「転ばないようにしてくださいね」という、ある意味禅問答のようなアドバイスを繰り返すわけです。転ぶと必要以上にADL低下を招くことも多いので、気を付けたいですね。
話を戻しますが、歩行自立度が屋内歩行自立レベルに留まると、転倒する可能性も屋外歩行自立レベルに比べて高くなりますので、外も歩けるようにしておきたいですね。
転ばないための具体的工夫については、担当の理学療法士にお問い合わせください。
記事担当:部長さかもと