群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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運動習慣と抑うつ

抑うつとは、「気分が落ち込んで何にもする気になれない」、「憂鬱な気分」などの心の状態が強くなり、様々な精神症状や身体症状がみられることを言います。

 

 

高齢者の運動習慣と抑うつ

 

 8年間の追跡調査で、運動を実施しなかった群と比べ、運動を継続している人では、抑うつ傾向の発生割合が少なかったそうです(p=0.037)。

 地域高齢者における抑うつの予防に関しては、運動強度よりも、運動習慣の継続が重要だそうです。

                        
 しかし、高齢期に身体・精神機能の衰えがある場合には運動習慣を新たに始めることは困難だと言われます。それ故、精神的健康の維持のためには、より若い時期から運動習慣の開始を働きかけるべきであるとしています。

 

 新しく運動習慣を持つのは大変ですが、運動の激しさによらず、している運動は続けていただきたいと思います。そうすることで、日々の生活の中で憂鬱な気分になることを避けられる可能性がふえるでしょう。

 

 運動できるくらいなら抑うつになっていないだろうという声が聞こえてきそうですが、軽い運動でも良いので、継続が力になるという報告でした。

 

                              記事:部長さかもと

 

引用文献:Yoshida, Y., Iwasa, H., Kumagai, S., et al.:Longitudinal association between habitual physical activity and depressive symptoms in older people. Psychiatry Clin Neurosci, 69;686‒692, 2015