群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

糖尿病と慢性炎症

 多くの病気の発症リスクを高める要因に「糖尿病」と「慢性炎症」があります。筋トレによって糖尿病や慢性炎症を改善する効果があります。

 

 通常、我々が糖質を多く食べても、インスリンというホルモンが血液中の血糖を細胞に取り込んでくれるため、血糖値は一定に保たれます。

 

 しかし、インスリンが働かなくなると、細胞に糖を取り込むことができず、血糖値が上がってしまいます。

 このようにインスリンの働きが悪くなることを「インスリン抵抗性」といいますが、インスリン抵抗性が高くなると、血糖の取り込みが不十分となり、血糖値が上昇して糖尿病になります。こんな状態が長くつづくと、血管が傷つき、脳卒中や心臓病になるリスクが高くなります。

 

          

 筋トレはこのインスリン抵抗性を改善することで、Ⅱ型糖尿病の改善に寄与します。

 

 筋トレで日常生活の活動量が増加し、消費エネルギーが増えます。食事も高蛋白食を意識すると、摂取エネルギー量が減少します。これによってエネルギーの収支がマイナスとなり、内臓脂肪や皮下脂肪の減少につながります。また、トレーニングで筋肉量が増加し、脂肪減と合わせてインスリンの抵抗性を改善させます。これにより糖尿病も改善すると考えられます。

 

 筋トレで、改善するのは糖尿病だけではありません。

 

 ヒトは加齢にともない筋量が減り、内臓脂肪が増えやすくなります。この内臓脂肪増加は慢性炎症を生じさせるひとつの原因です。慢性炎症はインスリン抵抗性を高め、動脈硬化を促進します。これは糖尿病や心臓病の発症リスクを高めます。

 

 筋トレは、内臓脂肪を減らし、筋量を増やすことで、慢性炎症も抑えます。これにより、糖尿病や心臓病、脳卒中などの発生リスクを減らすことができます。

 

 

 筋トレや身体活動を日常的に行うことは炎症を抑える意味でも大切なようですね。

 

 

      

 

 

                              記事担当:さかもと