群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

症例検討会を行っています

こんにちは、今回も読んでいただきありがとうございます!

今回のブログでは私たちが普段行っている「症例検討」というものを

紹介させていただこうと思います。

 

当院では1人の患者さんに対し各職種の職員一人ずつが担当となり

チームを組んで日々のリハビリに取り組んでいただいています。

 

基本的に担当になった患者さんは毎日リハビリをすることになり、

担当職員がお休みの日は変わりの職員が担当するという形をとっています。

 

さて、今回のテーマである「症例検討」についても説明します。

私達の場合は朝のリハビリが始まる前の時間を使い、一人の患者さんについて

話し合う時間を設けています。

 

担当者が患者さんの疾患のことや普段の様子などの状況説明を行い、

どんなリハビリをしているか、どのようなことで悩んでいるかなどを

話し、他の職員から質疑や意見をもらうという感じです。

自分が話す番になるとプチ発表会のような感じで緊張しますが、

この機会はとても大事です。メリットについて書かせてもらえたらと思います。

 

 

◎発表者

発表者は普段行っているリハビリについて言語化できるいいタイミングです。

自分が何を考えているか、改めて考え直すことができ考えが整理できます。

また、直面している問題について、自分の頭では思いつかないような

案やアドバイスがもらえるので現状の打開策が得られることも多いです。

また、患者さんと接する上で気をつけていることや好きな話題など

パーソナルな情報を職員間で共有しておくことで、代わりにリハビリに入った職員

でも円滑なコミュニケーションがとれるようになります。

 

◎聴講者

聞く側は単に患者さんの状況を知ることができるという機会にも感じると思いますが

発表者に対して質問したり、アドバイスすることでより理解が深まります。

自分の経験の中で似たケースに対しこういうことをしたら改善した、逆に悪くなったな

どの意見があがるとリハビリの選択肢が増えていきます。

また担当の考えていることを把握することで変わりに入ったとき集中的に課題に

取り組むこともできます。

 

 

担当でなくても、患者さんをよくしたいという気持ちは皆が思っています。

症例検討という機会を通じて患者さんの事を共有し、ベテランから若手まで

皆で意見を出し合い、よい案を出せるよう取り組んでいます。

 

こういう制度があることを知って頂ければ患者さんも悩みなどを話しやすくなるかもしれません。チームみんなで考えておりますので、担当、非担当関係なく色々話をしてほしいと思っています!

 

 

今回は以上です。

一年間ブログを書かせていただき色々勉強になりました。

ありがとうございました!

 

                              記事担当:PT川原

本年度の出来事

今年(2023年の4月)から私が社会人として働き始め1年が過ぎようとしています。

思い返してみるとあっという間の1年であったように感じます。

 

そこで本年度の出来事を私なりに印象に残っている事をまとめてみました。

 

4月:社会人になりました

5月:コロナウイルスが5類に       

6月:ガ-シ-前参議院逮捕

7月:ビックモーターが保険金不正請求

8月:夏の甲子園で慶応が優勝

9月:ガソリン価格過去最高値

10月:大谷翔平、米大リーグで本塁打王

11月:阪神38年ぶり日本一

12月:大谷翔平ドジャースに移籍

1月:能登半島地震が起こる

2月:大谷翔平が結婚の報告

3月:ドラゴンボールの作者「鳥山明さん」死去

 

             

 

私自身が好きな内容を多く取り上げてしまい偏りがありますが、他にも色々な事がありました。

 

私自身あまり1年を振り返る事はしたことが無かったのですが、今回のブログを通して今年度に何が起こっていたのか、それぞれの出来事がどの時期であったのか整理する事が出来ました。

 

ぜひみなさんも自分たちの思い出でも良いですし、写真を見返すなどしてこの1年何があったか思い出す記憶の練習にもなりますので家族や大切な人と1年に一度でもその年の出来事を話し合うなどしてみてください。

 

一年間お疲れさまでした。

         

                            記事担当部署:ST室

フレイル予防(体重、食事の観点から)

 厚労省からこんな資料が提示されています。

 

        

 

https://www.mhlw.go.jp/content/000620854.pdf

 

       

 

 フレイルや要介護状態に陥らないために、この資料に目を通していただきたいと思います。(この図の上にURLがあります)

 

 身長と体重から割り出す表がわかりやすかったので示したいと思います。

       

 

 黄色に入って来た方は要注意。オレンジからは早い脱出を心がけてください。

 

 タンパク質摂取の推奨と、食事の摂り方なども言及されています。

 

 わかりやすい資料なので是非一読を。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

既製品の短下肢装具

 スウェーデンのカーボン製短下肢装具です。薄くて靴を選びません。カーボンのたわみによって歩く装具で、上手に使うことができると、自然な歩き方になります。

 ToeOFFといいます。

アラード社 ToeOFF

 当院でも以前ご紹介したように,様々なサイズのデモ品を用意してあります。

 

 しかし、足関節の剛性がかなり強くなるので、歩行時に下腿が前に倒れにくくなっています。

 

 

www.youtube.com

 装具の脚が後ろに行ったときの、装具の固さをたわませて上手く使えると良いと思います。

 

 これができないと、ただの固くて高い装具になってしまいますので、使い方のコツは理学療法士にお聞きください。

 

 使い易く実用的な装具にするために、一緒に練習していきましょう。

 

 もう一つ、こんなのもあります。

 

Fillauer社 ダイナミックウォーク

 今回は説明は省略しますが、ダイナミックウォークという名称です。

 

                            記事担当:部長さかもと

嚥下食

 言語聴覚士は名前の通り言葉のリハビリはもちろん行いますが、食べたり飲んだりする飲み込みの働きにも関わる職業です。脳梗塞脳出血によって飲み込みの機能が低下してしまう症状のことを「嚥下機能障害」と言います。嚥下障害のある患者さんにこれまでと同じ食品の形態で食事をしてしまうと噛みにくさや飲み込みにくさが生じたり、誤嚥に繋がってしまうため食品の形態も考えなくてはなりません。

 今回はそんな嚥下食についてお話しようと思います。

 

 嚥下食は嚥下障害の程度にもよりますがたくさんの形態があります。きざまれた状態のおかずからゼリー状・ムース状のおかずまで様々です。そこで問題になってくるのが見た目です。ゼリーやムース状のごはんやおかずとなればほとんど元の形のないものが多いです。ですが私たちの食事は「おいしそう」や「きれい」などの見た目・第一印象によって食事判断が始まるそうで見た目は非常に大事と言われています。

 少し前の嚥下食は“ゼリー状態のまま”主食や副菜として提供していたことが多く、見た目を楽しめないものが多かったのですが、現在は下の写真の通り通常の形態とほとんど変わらないものも増えています。

 

          

 

 「おいしそう」にみえるものは食欲増進などにつながるため、見た目を意識することはとても大切な事です。見た目の問題で食欲不振になってしまう患者さんも少なくありません。

 味わいだけでなく見た目もおいしさに十分影響していることを知り、私自身も「食べる」ことに関わる1人の人として色々探してみたり工夫してみたりしようと思うようになりました。

 色々な嚥下食での工夫を、お知りいただきたいと思います!

 

記事担当部署:ST室

実績指数の推移です

 時々報告させていただいておりますが、これは一月毎の実績指数の推移です。本来は6ヶ月まとめて、3ヶ月ごとに算出します。2月までを算出する場合は9月~2月の退院患者さんをまとめて算出します。

 

 本来の届出は6ヶ月まとめた算出ですので、この数値の6ヶ月平均とは異なります。

 

 実績指数の算出方法は、FIM運動項目利得合計/(入院日数合計/標準算定日数合計)で算出します。

 

      Fim (telessérie) – Wikipédia, a enciclopédia livre

 

 従って、羅列している平均値とは異なることをご了承ください。毎月、退院されていく患者さんの人数が違いますし、標準算定日数も患者さん毎に異なるからです。

 

    

 

 昨年3月から今年2月までの一年間、このように指数が推移しました。

 

 やはりコロナで喘いでいたことの実績指数は低く、最近はリハが行えない事が無いため、指数も高くなって居ることがわかりました。

 

 リハビリをする機会が作れれば、結果もついてくる。今年も引き続き頑張りたいと思います。

 

 

                            記事担当:部長さかもと

 

研修受け入れ

 久しぶりに研修生の受け入れを行っています。

 

 メインは現役看護師に対する、リハ看護セミナー。

 

 同時進行でリハ関連職に対して、当院のリハビリテーションについて、講義と見学を行いました。

 

 リアルタイムで返ってくる質問はうれしいですね。

 

 自分達がしていることを説明するのは久しぶりだったのですが、楽しく説明することができました。

 

 講義が上手くまとまらなかったので、次回以降はもう少し洗練されたものになるよう、頑張りたいと思います。

 

 

 資料を見返して思い出した事があります。

 

 足漕ぎ車椅子の検証の件です。NHKworldなので、説明文が英語で書かれています。

 

 片足に麻痺があったとしても、駆動できる足漕ぎ車椅子。

 

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 片麻痺でも、容易に漕ぐことができ、脚の練習になります。

 

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 この時は、足漕ぎ車いすを200m漕ぐのと、セラピストの手の誘導によるキックを20回と比較して、どちらが足の動きやすさがよくなったか比較しました。

 

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 結果は、車いすの方が、膝をよく伸ばすことができました。。

 

 でも、NHKの取材班は、量が一緒だったらわかるんですけど、なぜ量をそろえられなかったのでしょうね。とのこと。

 

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 同じ量で比較することはもちろん必要ですが、今回は足漕ぎ車いすを使うことで、個別リハビリでは20回しかできなかったキックが、自転車エルゴに似た足漕ぎ車椅子を使うことで、10倍以上に広がったともいえます。

 

 運動学習の観点からは楽に多くの回数をこなすことが、運動学習につながるといわれているので、今回は移動の楽しさが、回数を増やしたとも考えられるでしょう。

 

 200回のキックにセラピストが耐えるのも大変ですが、楽しく行う200回のエルゴメーターは、楽に効果を高めてくれるものと思います。

 

 こういった機器が他に存在しないか、今度、現場のセラピストに聞いてみたいと思います。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

「スノーボードに行ってきました」

 

みなさんこんにちは。

今回は冬のスポーツについてのお話です。

 

皆さんご存知の【スノボ】です。

 

スノーボードはスキーに比べて5~6倍外傷の多いスポーツのようです。スキーの場合、切挫創が最も多く、骨折は下肢が多いです。スノーボードの場合は特に骨折が多く、上肢の骨折が目立っています。また、半身麻痺や死亡に至ってしまうケースでは、スキーは衝突や転落、スノーボードは単純な転倒が多いようです(ジャンプをされる方が増えているため)。

特にスノーボードの外傷の特徴として、急性硬膜下血腫や脳震盪型の頭部外傷が多いです。

 

スキー場での転倒で半身麻痺や骨折、大怪我となり病院に入院される方も少なくないのが現状です。

 

 

私も先日スノーボードに行ってきました。

 

まだまだ初心者ということもあり、両足が固定されたまま雪の上を板1枚で滑るのはとても怖いです。それなので、楽しむというよりも練習をしに行くといった目的がまだ強い段階です。

そんな中、私が今回練習したのは、後ろ向きのまま滑る方法でした。

 

後ろ向きなので、進行方向が見えない恐怖心と、前向きとは重心のかけ方が異なり、膝や足部をどのように使ったら良いのか分かりませんでした。

 

重心のかけ方は理解しているけれど出来ない…

恐怖心があるというのが一番の問題点だと思いました。

(単に運動神経がよくないだけかもしれませんが…)

 

これはリハビリにも共通していると感じます。

 

恐怖心があるかないかで運動パフォーマンスは変化してしまいますし、恐怖心を取り除いた状態で介入する方がより効率的にリハビリを進められると思います。

 

それには、声掛けの工夫や、その方自身の身体能力に見合った介入方法を考慮しなければなりません。

 

育成校の学習だけでは身に付けることが難しい視点と考えるため、恐怖心を取り除くことが出来るメンタルケアについても学習をして、常に客観的な視点を持って患者さんと関われたら良いと思います。

 

 

冬のスポーツは、みなさんくれぐれも気を付けて楽しんでくださいね。

 

 

                         記事担当: PT かじわら

「かわいい おひなさま」

 まだまだ寒い日が続きますが、気付くと3月。3月は「去る」とも言われるようで、あっという間に去って行ってしまうと言われる月だそうです。年度末になりますし、確かにそう感じるかもしれませんね。

 

 3月と言えば、「おひなさま」。昔から女の子の節句として、おひな様を飾ってお祝いをする行事ですよね。

 

 今年、私の所属する病棟のリハビリ室に入ると、この方々が患者様・リハスタッフを迎えてくれます。

 

 

 

 この「おひなさま」は、私が担当している患者様が、日中のリハビリなどのない時間に、病室で作成したものです。

 入院された当初から、日中窓際に行って車椅子に座り、編み物を行っていました。廊下を通るとその姿が見え、最初は何を編んでいるのか想像がつかなかったのですが、完成すると、こんな可愛い「おひなさま」が!!

「完成したよ。」と言って私に見せてくれた患者様の嬉しそうな表情が忘れられないです。

 

 その数日後。その患者様より、「このおひな様をリハビリ室に飾って。」とお話をいただきました。その理由を伺うと、この患者様は自分がお嫁に入ったときにご実家からおひな様を嫁入り道具で持参したそうで、それを約60年間、昨年まで毎年2月になると出していたそうです。今年は入院したため、それを出せなくて悲しいとのこと。そのため、代わりにこの「おひなさま」を飾ってみんなに見てもらいたいと話されました。下に書かれている「優しい笑顔のご挨拶」は、その患者様が考えたメッセージで、この「おひなさま」がリハビリ室に来る患者様やスタッフをこの気持ちで出迎えてくれる、という気持ちを込めて考えて下さったそうです。

 この「おひなさま」は、「終い節句」となる、3月8日までリハビリ室に飾らせていただき、患者様にお返しする予定です。

 

元々行っていた趣味的活動が、入院生活での活動性向上に繋がり、それが患者様自身だけでなく、周りの患者様、スタッフまでもが、ほほえましい気持ちになる活動に繋がるという、作業療法の醍醐味みたいな出来事を今回経験させていただきました。

 作業療法士として、趣味的活動でActivityの導入をすることは多いですが、ここまで患者様だけでなく周囲の人々にも影響を与える事が出来るという経験はあまり出来ません。改めて「趣味的活動」の偉大さを感じる経験でした。

 

 もう1つ、2月の行事の節分にちなんだ作品も、その患者さんが作っていますので、最後に紹介させて下さい。

 

 

これは、節分の「鬼」です。

「鬼は外!!」ということで、泣いています・・・。

これを見るだけで、「福」が寄ってきそう。

 

これから、春本番になりますが、皆さんが良い春を迎えられることを願います。

 

 

                                                         

                               記事担当:OT唐澤  

運動によるうつ病治療

 WHO(世界保健機関)の推計では、世界で3億人以上がうつ病を患っているそうです。表にあるように、運動はしばしば心理療法薬物療法と並行して勧められています。

 

        


 スペインの研究班は、うつ病の治療としての運動を、未治療の対照と比較した無作為化試験を探してデータベースを検索しました。14,170人のうつ病患者を対象とした218臨床試験が解析の対象となりました。

 

 活動的な対照群と比較して、ダンスでうつ病の大幅な減少が認められ、ウォーキングまたはジョギング、ヨガ、筋力トレーニング、混合有酸素運動太極拳または気功で中等度のうつ病の減少が認められました。

 

 運動とSSRIの併用や有酸素運動心理療法の併用においても、臨床的に意味のある中等度の効果を認めています。

 

 ウォーキングやジョギングは男女ともに有効でしたが、筋力トレーニングは女性により有効で、ヨガや気功は男性により有効でした。また、高齢者ではヨガの方が効果的であり、若年者では筋力トレーニングの方が効果的でした。

 

                

 

 また、ウォーキングやヨガのような軽い運動でも臨床的に意味のある効果は得られましたが、ランニングやインターバルトレーニングのような激しい運動の方が効果は大きかったようです。

 

 ウォーキングやジョギング、ヨガ、筋力トレーニングは、単独で、あるいは心理療法薬物療法などの確立された治療と並行して、うつ病を緩和するために最も効果的な運動であるようです。

 

                 

 

 

 ウォーキングやヨガのような強度の低い運動でも有益ですが、より激しい運動であればあるほど、より大きな効果が得られる可能性が高いようです。

 

 運動に含めて、社会的な交流や、マインドフルネス、自然とのふれあいなどを組み合せると、よりプラスの効果を得られる可能性があります。

 

 うつの時に激しい運動はする気が起きないとは思いますが、少しでも体を動かす事が大事なようですね。当院では、うつ病が主疾患の患者さんへのリハビリはできませんが、脳卒中や骨折に合併するうつはよく経験します。一緒に体を動かしましょう。

 

                            記事担当:部長さかもと