群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

「かわいい おひなさま」

 まだまだ寒い日が続きますが、気付くと3月。3月は「去る」とも言われるようで、あっという間に去って行ってしまうと言われる月だそうです。年度末になりますし、確かにそう感じるかもしれませんね。

 

 3月と言えば、「おひなさま」。昔から女の子の節句として、おひな様を飾ってお祝いをする行事ですよね。

 

 今年、私の所属する病棟のリハビリ室に入ると、この方々が患者様・リハスタッフを迎えてくれます。

 

 

 

 この「おひなさま」は、私が担当している患者様が、日中のリハビリなどのない時間に、病室で作成したものです。

 入院された当初から、日中窓際に行って車椅子に座り、編み物を行っていました。廊下を通るとその姿が見え、最初は何を編んでいるのか想像がつかなかったのですが、完成すると、こんな可愛い「おひなさま」が!!

「完成したよ。」と言って私に見せてくれた患者様の嬉しそうな表情が忘れられないです。

 

 その数日後。その患者様より、「このおひな様をリハビリ室に飾って。」とお話をいただきました。その理由を伺うと、この患者様は自分がお嫁に入ったときにご実家からおひな様を嫁入り道具で持参したそうで、それを約60年間、昨年まで毎年2月になると出していたそうです。今年は入院したため、それを出せなくて悲しいとのこと。そのため、代わりにこの「おひなさま」を飾ってみんなに見てもらいたいと話されました。下に書かれている「優しい笑顔のご挨拶」は、その患者様が考えたメッセージで、この「おひなさま」がリハビリ室に来る患者様やスタッフをこの気持ちで出迎えてくれる、という気持ちを込めて考えて下さったそうです。

 この「おひなさま」は、「終い節句」となる、3月8日までリハビリ室に飾らせていただき、患者様にお返しする予定です。

 

元々行っていた趣味的活動が、入院生活での活動性向上に繋がり、それが患者様自身だけでなく、周りの患者様、スタッフまでもが、ほほえましい気持ちになる活動に繋がるという、作業療法の醍醐味みたいな出来事を今回経験させていただきました。

 作業療法士として、趣味的活動でActivityの導入をすることは多いですが、ここまで患者様だけでなく周囲の人々にも影響を与える事が出来るという経験はあまり出来ません。改めて「趣味的活動」の偉大さを感じる経験でした。

 

 もう1つ、2月の行事の節分にちなんだ作品も、その患者さんが作っていますので、最後に紹介させて下さい。

 

 

これは、節分の「鬼」です。

「鬼は外!!」ということで、泣いています・・・。

これを見るだけで、「福」が寄ってきそう。

 

これから、春本番になりますが、皆さんが良い春を迎えられることを願います。

 

 

                                                         

                               記事担当:OT唐澤