群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

歩きを科学する意味

 実際に歩いているんだから、歩き方なんてわからないはずはないでしょうと言われそうですが、ブランコをこぐ動作を考えるとわかりやすいと思います。

 小さいころは、親に押してもらっていたブランコも、成長するにつれ、立ちこぎで遊べるようになります。
 しかし、なぜブランコが漕げるのか、説明できる人は少ないと思います。

 この現象は、パラメータ励振という現象で説明できるようですが、
 物理の法則がわからなくても子供達はブランコをこいでいます。

 立ちこぎの際には、ブランコの上で立ち上がる、しゃがむ、立ち上がるをタイミングよく繰り返すことが必要ですが、これは意図的に重心の高さを変更することで、位置エネルギーを運動エネルギーに変える作業を行っていることで運動が成り立っています。


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 考えなくても、説明できなくても実際に子供はブランコの揺れを大きくする方法を感覚的に知っています。

 歩行についても同じことが言えますが、歩行中に起こっている力学的意味は理解できなくても、歩行はできます。
 しかし、逆に考えると正しい歩行の仕方が損なわれると、意図的に運動を矯正するのは難しい問題になります。

 私達は今まで、関節が動くか、筋力は十分にあるかなどの機能的観点から介入を行ってきました。
 しかし、どのように歩くべきかということについては、バイオメカニクスなどの観点から十分に検討されていたかというと、
理学療法士個人の経験に頼るところが多く、不足していたように思います。
 我々はこの不足点について、ここ数年の先進リハ機器の検証や勉強会で知識量の拡大を図ってきました。
 当院は7月2日に開設55年を迎えましたが、”歩行の沢渡”を忘れず、これからも歩行にこだわっていきます。
引用文献 ~大畑光司:歩行再建~