群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

嚥下障害

脳梗塞脳出血の後遺症で嚥下障害になったらどうしたら良いでしょう?


胃ろうを造設すべきでしょうか、それとも経鼻経管栄養を選択すべきでしょうか?


嚥下障害には、
全く食べられなくなるケース
食べることはできますが、食形態を工夫しなければならないケース
の2通りがあります。
どの場合も、言語聴覚士ST)が嚥下のリハビリを行い、口から食べられるようにリハビリを行います。
そして、全く食べられない場合は2つの方法で栄養管理を行います。


1.経鼻経管栄養-鼻からチューブを挿入し、チューブを通して栄養を胃に運ぶ。
2.胃ろう-胃に穴を開けることで直接胃に栄養を注入する。


しかし、栄養管理のためといっても、胃に穴を開けることには相当な抵抗があります。
ならば、経鼻経管栄養を選択するほうが良いのでしょうか?
そうとも言えません。
一般に、胃ろうは「延命処置」のイメージが強いです。
しかし、それだけではなく、胃ろうにすることで経鼻経管栄養のデメリットを避けることができます。


デメリットは
    1.鼻から喉を経由して胃にチューブを通しておくと嚥下の妨げになる。
    2.喉にあるチューブの影響で誤嚥性肺炎のリスクが高まる。


     この二つが一番大きいデメリットでしょうか


    3.チューブを自分で抜いてしまうリスクがある。
    4.長期間チューブを留置していると菌が発生することがある。
    5.胃瘻よりも頻繁にチューブを交換するため、患者さんが嫌がる。
などがあります。


経鼻経管栄養よりも胃ろうを造設したほうが、嚥下のリハビリも行いやすいです。
胃ろうは胃に穴を開けるため、ある程度の侵襲があり、患者さんの全身状態が悪い場合には相応のリスクも伴います。


しかし、胃ろうを造設することで、嚥下のリハビリはスムースに進み、
経鼻経管栄養よりも誤嚥性肺炎のリスクは下がり(全くないわけではありませんが)、
栄養状態が改善すれば、積極的なリハビリ(歩行訓練、立位訓練など)が行えるようになる可能性が高くなります。


また、嚥下リハビリも順調に進めば
最終的には胃ろうをなくすことも可能です。そういう患者さんもいらっしゃいます。
当院では胃ろう造設はできませんが、よく急性期病院の医師や言語聴覚士と相談して、胃ろうを造り、その後は積極的なリハビリを考えても良いのではないでしょうか。

また、経鼻経管栄養を選択した場合も、定期的な嚥下評価が必要です。
当院ではVE検査を定期的に行い、簡単に言うと、食べられるかどうかチェックしています。

リハビリというと、体を動かすことに目が行きがちですが、こういった点にも配慮が必要だと思います。