群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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ココナッツオイルと認知症

 コロナ禍が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

 私事ですが、最近家の鍵やスマホをどこに置いたのか分からなくなってしまうことが頻発しています。1番びっくりしたのはスマホが冷蔵庫に入っていたこと。そんな忘れん坊の田沼です。

 

 今日は認知症について書かせていただきます。

 高齢化に伴い認知症が急増していて、年齢とともにいつ発症しても不思議ではない病気です。

 

 厚生労働省の報告によれば、2012年時点の認知症患者は、軽度者を含め約462万人に上るとされています。予備軍とされる「軽度認知障害」の約400万人を加えれば、65歳以上の実に4人に1人が該当する計算です。

 

 そこで知り合いのおばあちゃんに興味深い話を聞いたので紹介させていただきます。ココナッツオイルと認知症の関係についてです。一見、関係あるの?と思われるかもしれませんが、書店に本が並んでいるほど有名(?)な話らしいです。内容としては、著者のニューポート医師のご主人が若年性アルツハイマー病にかかってしまい、その中でなんとか症状の進行を食い止めようとして見つけたのが中鎖脂肪酸という成分で、調べてみるとそれはココナッツオイルの約60%を占める主成分。著者がさっそくココナッツオイルを入手し、ご主人に飲んでもらったところ、驚くような変化が現れたというのがこの本の要旨です。

 


 ちなみにココナッツオイル使用前のご主人のMMSE(ミニメンタルステート検査。認知症のスクリーニングとして広く使われている)は14点。この検査では21点以下で認知症の疑いありとされる評価です。したがって14点という点数は比較的進行した認知症の状態であったと言えるでしょう。ところが、ココナッツオイルを使い出して約2ヶ月後には点数が20点まで回復したとのこと。

 ココナッツオイルがアルツハイマー病に対して効果を表すのは、前述の中鎖脂肪酸という成分によるものと考えられています。中鎖脂肪酸は、肉の油やバターなどの油と比べると、エネルギーになりやすいのが特徴です。さらに、この中鎖脂肪酸は分解されると“一部が”「ケトン体」という物質に変化します。通常、脳はブドウ糖をエネルギー源として活動しています。しかし、アルツハイマー病になるとブドウ糖をうまく使うことができなくなってしまいます。しかし、ハイブリッド車がガソリンと電気を使って走れるのと同様に、脳もブドウ糖だけではなくケトン体を使って活動することができるのです。アルツハイマー病ではブドウ糖は使えませんがケトン体を使うことはできるので、中鎖脂肪酸の摂取により体内でケトン体が作られれば、脳のエネルギー不足が解消され、認知機能が改善するというわけです。

 

 ココナッツオイルは油なので、太ることを気にされる方もいるでしょう。基本的に中鎖脂肪酸のみであれば、(1)摂取することによってむしろエネルギー消費が上がる、(2)体重が減る、(3)内臓脂肪が減るといった報告がありますので基本的には安心して良いと考えています。

 

 ケトン体が体内で造られるためには、ある程度の条件があり、お腹が緩くなったりもするそうですので、このあたりはご自身で調べて実践してみてはいかがでしょうか。また、すべての方に効果があるわけではありませんし、過剰摂取は体調を崩す原因にもなります。ご注意ください。

 

 私の「忘れん坊」はかなりの筋金入りですが、中鎖脂肪酸で今から努力すれば返上できるでしょうか。

 

                              記事担当:PT田沼