皆さんこんにちは。
「ベジファースト」という言葉を聞いたことはありますか?
ベジファーストとは、その名の通り、野菜(ベジ)を最初(ファースト)に食べるという食べ方で、耳にしたことや実践している方もいるのではないでしょうか。
今回は、その効果や注意点ついてお話ししていきたいと思います。
野菜に多く含まれる食物繊維は、先に食べることで、後から食べたものの吸収を遅らせる働きがあります。つまり、炭水化物などの糖質を多く含む食べ物よりも先に野菜を食べることで、糖質の吸収を遅らせることができます。
身体にとって良くないのは、血糖値が急激に上昇しすぎてしまう、いわゆる“血糖値スパイク”。食物繊維は、糖質の吸収を遅らせ血糖値が上がるのを緩やかにすることで、血糖値スパイクを抑えるよう働きます。この血糖値スパイクを抑えることで糖尿病などの生活習慣病や肥満などを抑制します。
※野菜の中でも、キャベツやレタスのような食物繊維を多く含む葉物野菜、糖質の少ないわかめなどの海藻類を先に食べるのがおすすめ。ポテトサラダなど芋類やコーンは糖質が多く含まれるため、後に食べる方が良いでしょう。
また野菜だけではなく、肉や魚などのたんぱく源にも「食後の血糖値上昇を抑える」効果があります。肉や魚などを食べると、腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。インクレチンホルモンは胃の運動をゆっくりとすることで、消化を遅らせる→糖質の吸収をゆっくりとさせる効果があります。そのため食物繊維と同様、ごはんより先に肉や魚を食べると、食後の血糖値スパイクを抑えることが期待できます。よって、単に野菜だけを食べるのではなく、そこにタンパク質も加わることでより食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。
ただ…少食の方や高齢者の方は必ずしもベジファーストが良いとは限りません。
野菜を最初に食べるとお腹がいっぱいになり肉や魚などのたんぱく源を食べられなくなってしまう、という方は、必ずしも野菜を最初に食べる必要はありません。たんぱく質は三大栄養素と言われるように身体にとってとても大切な栄養素で、筋肉や髪、爪など体全体を作る役割をしています。たんぱく質が不足すると、筋肉が減ってしまう可能性があります。たんぱく質をしっかり摂るために、満腹で肉や魚が食べられない場合は、これらのたんぱく源を最初に食べることも検討しましょう。
当院に入院されている方の中には食事以外にもその方が必要な栄養素を補充するための補助食品が提供されることがあります。その方にあった食事の仕方や栄養摂取が重要なのだと思います。
いかがでしたでしょうか。
日々の食事から比較的実践しやすい健康法の1つではないでしょうか。
減量を図りたい方には運動指導に加えて、このような食事摂取方法も同時に提案できればと思います。
改めて食事の食べ方などを見直すきっかけになっていただければ幸いです。
記事担当:PT鈴木頼