膵臓の老化や肥満などによってインスリンを分泌する能力が衰えると、分泌量が減ったり、分泌するタイミングが遅くなったりします。
すると、細胞がブドウ糖を取り込むことができず、食後に血糖値が急激に上昇します。
さらに急上昇した血糖値を抑えるために、後からインスリンが大量に出ると、今度は血糖値の急降下を招きます。
このような血糖値の乱高下は血管にダメージを与えます。さらに動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなります。
この血糖値スパイクは、健康診断で測る検査ではわからず、見逃されやすいようです。食後高血糖なのに、通常の健診では発見されないケースを“隠れ糖尿病”というようですが、健診の数値が正常でも血糖値スパイクが起きている可能性があるようです。
血糖値スパイクを起こしやすい人は
- 炭水化物中心の食事をたくさん食べる人
- 食べる速度が早い人
- 運動不足の人
- 血縁者に糖尿病の人がいる
などの特徴があるそうです。
日本の糖尿病患者さんは糖尿病予備軍も含めると約2000万人といわれており、6人に1人の計算です。血糖値スパイクも他人ごととせずに、早い段階から予防に取り組みましょう。
前回は全粒粉のお話をしましたが、今回は理学療法士らしく運動の話をしたいと思います。
食後の血糖変化ですが、運動した日は上がりにくいようです。
また、昔は食後すぐの運動は体に悪いと言われていましたが、階段昇降などの運動を食後にすることで、血糖の上昇が抑えられるとの報告があります。
最近は当院でも40~50歳台の脳卒中患者さんが増えています。
中年期を超えてくると、基礎代謝は低下し、気が付くと太りやすい体になっていたりします。
普段からマメに体を動かし、血管にイイ生活を送りましょう。
それが、脳卒中、心臓病、アルツハイマー病などの予防に繋がります。
記事担当:部長さかもと