フレイルや要介護にならないための、歩数と歩行速度の研究をご紹介します。
運動機能の疾患がなく、要介護状態ではない60~91歳の1,692名を対象に、フレイルの前段階の状態(プレフレイル)かどうかを判定し、歩数と日常歩行速度を2週間計測しました。
その結果、歩数は1日6,342歩、日常歩行速度は1.06m/sが、統計的に健常とプレフレイルを切り分けられる境界値となり、境界値以上でプレフレイル状態の出現率が有意に低くなることがわかりました。
上の試験を行ってから2年後の要介護判定と、当時の歩数と日常歩行速度で、要介護状態の危険因子になるかを調べました。
上記カットオフ値を用いて、要介護状態の発生率を比較しました。
その結果、歩数は有意な差が出ず、有効な危険因子とはなりませんでしたが、日常歩行速度は強い危険因子となることがわかりました。
(横軸が逆なので注意:歩行速度は遅い、歩数も少ない人が発生ハザード比が高くなっている)
この一日6400歩と1m/secは、同時に満たす事でプレフレイル状態になることを防ぎ、要介護状態の発生率も防ぐことができそうです。
歩数は万歩計で計測してください。また、歩行速度は横断歩道の信号が変わるまでに渡りきれれば達成しているといえるでしょう。
記事:部長さかもと