先日のリハビリで患者さんとこんなものを作成しました。
スマートフォンなどに使用出来るタッチペンに、紙粘土で握り部分を作成したものです。
くぼみに合わせて握る事で指先の細かい操作が難しい方でもペンを操作出来ます。
古典的な手法ではありますが、患者さんの手にピッタリはまるように作ってみました。
こちらは私が作った分ですが、患者さんにも実際に紙粘土を握ってもらいながら形を整えました。
患者さんのニーズに合わせて、患者さんが使いやすい形や環境を提供することも作業療法士としての役目だと常々考えます。
話は変わりますが、巷では3Dプリンターを活用した自助具・リハビリ治療用具の作成がどうやら盛んとのことです。
このペットボトルオープナー、九州の10年来の友人の作業療法士が自作で3Dプリンターで作ったんですが、本当にすごい。片手であっさりペットボトルが開いちゃう。力もほとんどいらない。こう言う視点、作業療法士だな。多くの方に使って欲しい一品です。今まで使ったペットボトルオープナーで1番良い。 pic.twitter.com/jMZmruE8rt
— 竹林 崇@脳卒中リハの専門家, 作業療法士, PhD(医学) (@takshi_77) 2022年2月8日
竹林先生と言えば作業療法界隈では非常に有名な方ではありますが、Twitterでしばしばこのような自助具の紹介をされています。
これは先生のご友人の方が3Dプリンターで作成されたとの事ですが、ペットボトルを片手で開ける自助具になります。
脳卒中により片麻痺を呈した方のニーズとして「片手で出来る事を広げる」というものがありますが、これはまさしくそれを解決出来る一品。
3Dプリンターが患者さんのニーズを満たせた1つの例かと思い、引用させて頂きました。
また、3Dプリンターは世界的にも注目されており、近年のリハビリテーション分野においては臨床研究も盛んなようです。
引用元:Bhattacharjya, S., Stafford, M.C., Cavuoto, L.A. et al. Harnessing smartphone technology and three dimensional printing to create a mobile rehabilitation system, mRehab: assessment of usability and consistency in measurement. J NeuroEngineering Rehabil 16, 127 (2019).
こちらは2019年にacceptされた論文から引用した画像です。内容は「スマートフォンと3dプリンターテクノロジーを組み合わせた携帯型リハビリテーション装置の開発」について。
対象者さんの手に合わせてプリントした物品による自主訓練を、自作のスマホアプリにて運動回数などの情報を管理するという非常に画期的な内容の研究になっています。
こちらも同様に、患者さんが必要な動作をピッタリ合わせた道具・環境で効率良く訓練出来るという良い例かと思いました。
患者さんのニーズにピッタリとはまる形を実現出来る3Dプリンター。
今のところ当院にはありませんが、先進的な技術によって作られた夢のような機械たちがリハビリの現場でごく自然に使われる日もそう遠くないのかもしれません。
記事担当:OT大塚