群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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歩行持久性と自立度

 脳卒中後に歩行能力が低下すると、生活範囲の狭小化を招き、Quality of life:生活の質を大きく下げると言われます。

 

 家に閉じこもって、買い物もできず、友人にも会えないということは生きがいをなくすことにも繋がるでしょう。

 

とはいっても、歩行スピードだけで良いかというとそうではなく、脳卒中患者の歩行は、歩行耐久性、バランス能力、そして運動機能を合わせて評価するべきとされています。

 

 本来、専門家としてはこういったテストを組み合わせて、結果をどう解釈するかが勝負といえます。

 

 しかし、今日は連続どの位歩くことを目標とすべきなのか、少しご紹介したいと思います。

 

 これは、今年の春にもご紹介したものですが、理学療法士がよく使う「6分間歩行」です。

 

 これは、6分間連続で歩き続け、何m歩く事ができるのか、計測します。他の人が先を歩いてしまっていたり、横について歩くと正確な数値が測定できませんので、計測者は遠くで見ているようにします。

 正確を期す場合には30m間隔にコーンを置いて、その間を歩いていただいて、6分間で歩ける距離を計測します。

 

 

 さて、結果の解釈ですが、

 

 

 最低でも205m以上、6分間で歩けないと、外に出かけることは困難といえます。これは脳卒中患者さんを対象にしたものですが、他の疾患にも応用できると思います。

 

 ただ、この緑の域に到達することを考えると、歩行速度は最低0.6m/sec程度は必要です。この速度で歩くと、10mは16.7秒程度ですので、それなりの速度とかなりの持続力が必要といえます。

 

 この歩行距離、どうしても必要かといわれると、そうではないのかもしれません。体力が極端にないだけで、歩行安定性は十分という方もいらっしゃいます。

 ただ、歩行持久性を高めておくことは、近くに休憩できる場所がなくても歩き続けたり、立ったまま休んだりする事も可能になるので、安全に生活するための一つの要素といえるのではないでしょうか。

 

                           記事担当:部長さかもと