群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

自動車運転再開・中止の医学的判断とリハビリテーション

11月17日(金)に表記の研修会に参加してきました。

講師は門司メディカルセンターの蜂須賀先生でした。

まずは、最近注目を集めた自動車事故の話から入り、

てんかん発作や、認知症の方が事故を起こしていることがクローズアップされているという現状から話を始められました。

一般に高齢者の交通死亡事故は多いとされていますが、

実は、高齢者の死亡事故は歩行者が半数を占め、

車に同乗していた事故でも、高齢者は後部座席で死亡率も高いとの統計データを示され、

また、人口あたりの死亡事故についても(※第一当事者)高齢者のそれは、20歳台後半のものと同じ水準であることが示されました。
※第一当事者
 
交通事故が発生した場合、その事故に関った人はすべて当事者であるが、基本的には当事者のなかでいちばん過失が重い人が、「第1当事者」と言われる。

認知症では明らかに運転時の反応時間も遅くなるそうですが、

認知面で問題のない高齢者では、反応時間は若い人と比べても遜色がなく、高齢者の運転は危ないと単純に考えるのは問題がありそうだということを言われていました。

また、半側空間無視の患者さんでは運転免許適正検査基準では合法的に合格する可能性があり、注意障害の検査が境界域にある方が、自損事故を起こした事例を挙げ、注意障害やその配分、二重課題などシミュレータによる確認も必要であることを述べられました。

実車評価はゴールドスタンダードと考えられていますが、実車教習でも健常者で見られる範囲内であれば、運転不可とは判断できないそうで、

この点でも医療機関や教習所、県警
との連携が必要と話されていました。

イメージ 1

最後に、脳損傷の患者さんの運転再開には、通常2年程度の経過をみて判断されているとのことで、

最長8ヶ月程度までしかフォローできない回復期リハのみで判断を下してしまうことはできないし、するべきではないと考えられました。

今後も自動車運転再開に向けての勉強会や群馬県内での活動推進に尽力しなければならないことを感じる研修会でした。