こんにちは~(^O^)/
PT室ブログ隊大前です
今年もあと1ヶ月と半分になってきました。寒さもどんどん厳しくなっていきますので皆さんお体十分に気をつけて下さい。
今回の内容は自動車運転に関してです。
当院でも患者さんの運転再開に向けて作業療法士が中心となり、運転再開の支援をしています。研修会も各地で開かれており、今回は10月28日に新潟県運転免許センターにて、障害と自動車運転に関する研究会主催の勉強会に参加してきました。
主な内容は、
①運転再開に至るまでの経過や方法等交えながらの症例検討
②ポスター発表にて新潟県内医療機関の自動車運転再開の取り組みについて
③改造車の試乗体験(教習所コース)、
体験①:車椅子収納装置付きの右手ハンドル、左手アクセルレバーの車
車椅子収納装置の様子 車椅子の紐に装置のフックを掛けるだけで簡単収納!!これも感動しました。
体験②:両手ハンドルでも運転が可能になるという欧米でも主流となりつつある改造車
ブレーキがハンドル両サイドにあり、アクセルはハンドルの奥にあるレバーを使用
この改造車ですが、通常のアクセルとブレーキは残ったままになっています。
これがなぜ残っているかというと、切り替えボタンが付いており慣れない人が運転する際の事故防止を兼ねています。
以前、ホテルマンに車庫入れをお願いした際、操作が良くわからず、壁に接触するなどの事故が多発していました。
こんな事故の反省から、切り替えスイッチをつけて健常者でも対応しやすくしたそうです。
体験③:体験②に似ていますがアクセルの位置が変わり、二重ハンドルの後側をスライドすることでアクセル、左手でブレーキを掛けます。
どの車を体験してもそうですが、足を使っていたものが、手だけの操作で運転するのは正直大変でした。
改めて教習所等での練習の重要性とともに免許センター・教習所・医療の連携の大切さを感じました。
何でもそうかもしれませんが、体験しているのとしないのでは提供できる情報にも大きな差があります。
これからも知識や技術だけでなく日常生活に関わるものへの関心と体験は継続していきたいと思いました。
④ドライビングシミュレーター体験、企業展示
⑤特別講演として千葉県立保健医療大学の准教授藤田佳男先生より運転リハビリテーションの推進~米国と本邦での最新状況~について講演いただきました。
運転リハビリテーションの現況から再開に至るまでの方法、問題点、今後の課題など様々な視点から教えて頂きました。
運転中断により健康状態や認知・運動機能への影響があり、ある研究ではうつ発症リスクが倍近くになった等の報告がありました。運転中断は健康状態にも影響をもたらす事が明らかになっていますが、だからといって運転再開がとにかく優先ということではなく、中断させるのであれば移動の自由の確保と社会的機能の維持ができるサービスが必要とのことでした。
当院でも退院してから車の運転再開がなくては生活がままならない方がいらっしゃいます。運転できるかできないかはその後の患者さんの生活を大きく変えるものだと感じています。
運転再開による様々なリスクを十分考慮しつつ代替手段を含め、検討できるよう一層準備していかなくてはと改めて感じました。
⑥シンポジウム:自動車運転支援リハビリテーションの展開-医療・免許センター・自動車教習所の連携を通して-
医療の立場からは新潟リハビリテーション病院副院長の崎村先生より、基本的な脳損傷による症状、高次脳機能障害と運転の現状や診断基準・診断書について今後の課題等含めてご紹介頂きました。
免許センターの立場からは新潟県運転免許センター センター長補佐の斎藤先生より、交通法から臨時適性検査や免許保有者・返納者の現状の報告や患者さんに伝えて欲しいことなどのご説明を受けました。
自動車教習所の立場からは水原自動車学校副校長の岩城先生より、教習所の取り組み及び課題、支援質を高めるために支援の主体・ナラティブアプローチ・Quality of supportと行った視点で説明して頂きました。
今回のシンポジウムは、各分野においての悩みや課題、現状での工夫点等も聞け、自分達の支援としての課題や方法の参考になりました。
運転再開においては病院だけでなくその地域性や他部門との連携を緊密に取っていける環境やアプローチの共有ができる状態をつくることの大切さを改めて感じました。
ご講演された先生方、展示やアドバイスをくださった企業の方々、このような機会を頂きました研究会のスタッフの皆さまにはこの場をかりて御礼申し上げます。
これからも日々の臨床に活かせるよう努めていこうと思います。
今日も1日頑張りましょう♪
以下展示・協力企業様
(株)竹井機器工業 (有)フジオート (株)カスタムセレクト
(株)G・S・T (株)ニコ・ドライブ (株)ミクニライフ&オート
(株)水原自動車学校