転倒して骨折したり、硬膜下血腫になったりと、転倒によって引き起こされる障害で、体や頭が動かなくなってしまうことがあります。
高齢者には、頭を叩くなどのツッコミも厳禁です。
そういえば、15年くらい前に転倒で学会発表した事を思い出しました。
当院の入院患者さんに限ったものですが、ベッド周辺での転倒が最も多く、次いで病室内、トイレ、廊下と続いていました。
ベッド周辺の環境を整えることは大切です。
続いて、転倒者の転倒した際の自立度についてです。
ベッド上の日常生活動作が自立した方が多くなっており、屋内歩行が自立した状態でも転倒が多く見られていました。
屋外歩行まで自立すると転倒はほとんどなくなります。
院内が歩けるようになったという状態では安心せず、転ばないように気を遣ってください。
これを裏付ける研究もあります。
この自立度表を用いて、老人保健施設で転倒の調査を行ったものです。
以下は自立度毎の転倒発生割合です。
ランクA 24.4%
ランクB 25.3%
ランクC 0%
ランクB 25.3%
ランクC 0%
ランクJが屋外歩行自立の状態ですので、屋内歩行レベルの方は転倒予防に注意が必要です。
寝返りがうてるかうてないかという状態では、ベッドから離れる時間も限られ、介助者がいる際に限定されるためか、転倒はなかったようです。
当院の話に戻りますが、入院1ヶ月以内、移乗動作が一人でできない、ベッド周辺での転倒にご注意ください。