函館の病院で働く22歳の新米看護師・たむらは、ある日突然原因不明の高熱に襲われ、動けなくなってしまう。いくつかの病院を転々とした後、たむらは脳神経内科のサトウ医師により、ギラン・バレー症候群と診断される。身体の自由と普通の日々を奪われてしまったたむらの、長く険しい闘いの日々が始まった――。
障害者手帳は、障害者にはしたくない、なりたくないなどという思いから手続きに躊躇される方は良くいらっしゃいます。本書中でも触れられていますが、特に周りの方の心がついていかないようです。しかし、金銭的な部分を考えるならば障害者手帳はメリットが大きいです。お困りの方は、ご自分から医師やソーシャルワーカーに聞いてみてもいいと思います。
トイレも重要です。排泄にかかわる部分は、思っている以上に人間の尊厳を傷つけてしまうものです。「病気は比べるものではない」、ということ、「誰のせいでもない」ということは、重病を体験し、今なお闘病のさなかにある著者だからこそ、説得力のある言葉として映ります。
最後に、「もうこれ以上良くなることはないでしょう」とは医師がもっとも言いたくないセリフですが、誠実にこれを伝えた主治医と、それを受け止め乗り越えた著者に、心からの敬意を表します。
書評から抜粋しました。
webでも一部読めるようですので、是非ご購入いただきたいと思います。