米イエール大学が2016年に報告したものですが、本を読む人は読まない人より長生きするというものがあります。
研究によれば、1週間に最大で3時間半の読書をする人は、本を読まない人と比べて、その後の12年間で死亡率が17%も低くなることが分かりました。
それ以上に読書をする人は、23%も死亡率が低かったとのことです。
生存率が8割に低下するまでの期間を比較すると、「読書する人」は調査開始から108か月だったのに対し、「読書しない人」は85か月でした。
従って読書をする人は、読書をしない人と比べて平均で23ヶ月ほど長生きすることが判明しました。
この研究で使われたのは実際の書籍で、新聞や雑誌は含まれていません。
財産や学歴、認識能力やそのほかの変数を考慮して調整しても、延命効果は変わりません。つまり長生きしたければどんどん本を読んだほうがいいということです。
米ラッシュ大学は、成人が休憩時間などに読書のような知的な行為を行うと、将来的な「認識能力の衰退」が32%も遅くなると報告しています。読書で脳を若く保つことができるということなのでしょう。
またイギリスの研究では、読書を30分するとストレスが68%も軽減されると報告しています。音楽を聴いたり、TVゲームをプレーしたりするよりもストレス解消の効果があったそうだ。本に没頭することで身体も、リラックスできるということがわかりました。
睡眠への導入としても読書は体に良いという報告もあります。さらに、読書をする人はアルツハイマー病になる比率が低くなるという研究結果もありますし、スコットランドでは鬱(うつ)にも効果があるという報告もされています。
文書には多くの情報が含まれており、脳によって推測を行うことで、読書は神経生物学的にも、画像や言葉を処理するよりも脳に対する要求が高いということが言われています。
つまり、読書によって脳は鍛えることができるということです。そして脳機能が向上すれば、それに波及してさまざまな健康効果を得られる可能性もあります(イエール大学)。
長生きや健康を望むなら、時間があれば読書をしたほうがよさそうですが、実際には文字なら何でもいいということではないようです。
例えば、電子書籍は場合によっては健康を害することがあります。米ハーバード大学の調査では、睡眠前に電子書籍を読むと、睡眠時に生成されるメラトニンという重要な「睡眠ホルモン」の分泌が少なくなります。
結果的に、睡眠に入るまでに時間がかかり、深い睡眠を妨げ、寝起きに疲れが残ります。
こういう状況は健康によくないと言えるでしょう。ブルーライトの問題であることはよく言われているようです。
また影響は睡眠だけではありません。
ノルウェーの研究では、電子書籍よりも実際の本からの情報のほうが、頭に内容が残りやすいとの結果が出ています。
電子書籍よりも印刷された書籍を読んだ人のほうがストーリーの順序をよく覚えており、その差は大きいようです。
この調査では、電子書籍よりも「紙の本」のほうが脳を活性化させる可能性があると言えるでしょう。読書の効果を最大限に得ようと思うなら、できる限り紙の書籍を手に取ってページをめくりながら読むべきだということだと思います。
健康以前に、読書の利点については、世界的な成功者たちもその価値を認めています。
投資家ウォーレン・バフェットは、読書に人生の80%の時間を使っています。マイクロソフトのビル・ゲイツは子どものころ、読書にハマりすぎて「夕食の間は禁止」というルールが決められていたそうです。
また、Meta(Facebook)のマーク・ザッカーバーグCEOは、2015年年始の抱負で2週間に1冊のペースで読書を行うと宣言しています。このように、富豪たちは多くの時間を読書に割いているとのことです。
紙の本を読むことによって起こる、様々な利益や恩恵について最近言われていることを述べました。コロナ禍まで成人の読書時間は減少していたそうですが、ここに来て持ち直しているということも聞いています。
最初に述べた週3時間半の読書時間は、1日にすれば、30分の積み重ねです。習慣化して恩恵を被りましょう。
記事担当:部長さかもと