7月に入り、梅雨真っ只中な今日この頃…
この時期になると体調不良を訴える人が少なくありません。
梅雨になると生じる体調不良に大きく影響しているのが気圧の変動や湿気の多さと言われています。
そこで、今日は梅雨と体調の関係についてお話ししたいと思います。
人間の身体には多くの水分が含まれています。小さな子どもは70%~90%、成人は60~65%、高齢者では50~55%となります。 外気の湿度が高くなると、皮膚からの発汗が上手にできなくなり、水分や熱が身体にこもってしまいます。 水太りのような状態になり、だるく感じます。
また、梅雨時期は気圧も低くなります。自律神経は興奮モードである「交感神経」と鎮静モードである「副交感神経」の2つの神経が、バランスよく保たれているのが本来の状態です。 しかし、低気圧になると身体の外からの圧力(気圧)が減り血管が膨張する「副交感神経」が優位に働き、その結果、強い眠気やだるさを感じるようになります。
主な症状として…
①身体がだるい・重い
・梅雨時期は低気圧が続くため、副交感神経が優位になりやすいです。
副交感神経が優位になると、日中でも身体がお休みモードになってしまい、だるさや眠気を感じてしまいます。
②食欲不振・下痢
・湿度が高いと体内の消化吸収と水分の代謝がうまくできなくなり、消化不良を起こしやすくなります。
③むくみ
・消化不良の原因と同様に、湿度が高いと体内に水分が溜まってしまい、むくみやすくなります。
④頭痛・関節痛
関節痛が強まる原因の1つは湿度と考えられています。湿度が高い環境では、東洋医学でいう身体の中で水分の偏在が起こる「水毒」や、身体に湿気が滞る「水滞」の状態になりやすくなるからです。東洋医学では、湿度の上昇によって生じやすい不調があると考えられており、元々身体に湿気が滞りやすい「水滞」や「水毒」といった体質の人は、湿度が上昇したときにめまいや倦怠感、むくみ、頭痛、関節痛、胃腸症状などが悪化しやすくなります。
では、具体的にどのように対処していけば良いのか…
上記の症状と関係が深い症状は、いずれも自律神経の乱れと密接に関わります。
~自律神経を整える~
・大前提は、規則正しい生活であり、生活リズムが崩れている方は、まずそれを整えましょう。
人間は本来、夜が明けたら目覚め、日が暮れたら眠るという生体リズムに沿って身体の機能が働くようになっています。
この体内時計のリズムが崩れると、自律神経が乱れ、うまく機能しなくなります。
体内時計をリセットする重要なタイミングが起床時です。
朝は決まった時間に起きて太陽の光を浴びること、そして朝食を摂ることによって体内時計がリセットされ、活動モードの交感神経を活性化するスイッチが入ります。
また、入浴や運動も自律神経を整えるのに役立てることができます。
温度や湿度の変化に対して速やかに発汗し、体温を下げるときにも自律神経は働きます。エアコン環境下で活動不足の状態が続いていると、温度や湿度の変化にうまく対応ができません。夏でも湯船に浸かり、ウォーキングなどでじんわり汗をかけば、温度変化に対する自律神経の乱れをある程度抑えることができます。さらに、日中にほどよく疲れると、自律神経の調整に重要な睡眠の質も良くなってきます。
~腸の健康を意識した、バランスの良い食事を摂る~
・日頃の食事では、糖質、たんぱく質、脂質をバランス良く摂ることです。特にたんぱく質は全身に酸素を運ぶ赤血球や様々なホルモンの材料でもあるため、不足しないように意識しましょう。
~天気の変化を予測し、症状の悪化を未然に防ぐ~
・事前に天気の変化を知ることで、それに備えることができます。そのために、翌日の天気や気圧のチェック、週間予報の確認などが役立ちます。また、気圧などの情報が搭載されているスマホアプリもあり、そのメモ機能を利用すると便利です。
頭痛の場合、「症状が出そうかも」というタイミングで必要な薬を飲むなどの策を講じて、不調の予防や改善に繋げられます。
いかがでしたでしょうか。
他にも対処法はありますが、今回は日頃の生活習慣を中心に記載させていただきました。
自分も経験上、天候の変わり目や天気の悪い日に関節痛の悪化や倦怠感を訴える方々を見てきました。
もちろん、身体機能に着目することは重要ですが、その人の生活全体に着目しアプローチしていくことが重要なのではないかと思います。
自身も生活習慣を見直しながら、残りの梅雨期間を乗り越えていければと思います。
記事担当:PT鈴木頼
記事にしたときには、梅雨の最中でしたが、所属長の校正を経ると梅雨は終わってしまいました。しかし、天候や気圧の変化でおこる気象病は年間を通して出現します。天候不順と体調変化ということで、参考にしていただければ幸いです。
さかもと