今回は私の祖母のお話をさせて頂きます。
私の祖母は、大正11年生まれの100歳です。
2年前に転倒し大腿骨の骨折をしましたが、手術後当院でリハビリを3ヶ月行い短距離であれば何も使わず歩けるまで回復し、今は元々住んでいた家の環境を整え生活しています。
週3回デイサービスへ行き、家では新聞や本を眺め、ひ孫とお菓子を食べながら一緒に絵を描いたり折り紙をして過ごしています。
そんな祖母の最近の口癖は、「もうなーんにも出来なくなっちゃってダメだなぁ」です。
家族からすると、時折声かけや介助が必要なものの自分でご飯を食べ、歯を磨き、デイサービスの日には鏡で身なりを整えて、トイレも行ける祖母は凄いなぁと思うので、「100歳で、自分でご飯が食べられてトイレに行けるんだからすごいよ!転んだら大変だから座っててね!」とまた転んだら今度は歩けなくなってしまう、そしたらおばあちゃんが可哀想と思うあまりみんなで言ってしまっていました。
しかし、骨折をするまでは、ほとんどの家事を含めた日常生活が1人で出来ていた祖母からしたら家の中でのんびり過ごすことは「なーんにも出来なくなっちゃった」なのかもしれないと思いました。
そこで、出来ることは少しずつやってもらってみてはどうかと思い、
☆食事後、食器を洗う
☆お裁縫
☆料理に使う野菜の皮むき
等をお願いしてみました。
もちろん家族が見守れて時間と心に余裕があるときにです。←ここ重要です。
そしたらですね・・・
めっちゃ早くてしかも丁寧。(笑)
お裁縫は元々先生をしていたのもありますが、針に糸が通せ、里芋の皮むきもあっという間でした。
私たちは必ず祖母のしてくれたことに対して感謝の気持ちを伝えます。そうすると祖母は笑ってくれます。
まだまだ、祖母からしたら大したことではないのでしょうが、家族のために何かを出来たと言う満足感が少しは得られているのかなと思います。
これから暖かくなってきたら、畑仕事なども良いかもしれません。
「退院おめでとうございます」から、その後いつまで続くか分からない日常をどう過ごすかはとても大切な事で、セラピストとしても対象者様・ご家族様に寄り添い、穏やかに楽しく過ごすためのお手伝いができるようになりたいなと改めて感じました。
記事担当部署:作業療法室