群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

『2025年問題について』

 日本漢字能力検定協会から一年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」が選出され、2022年の1年を表す漢字が「戦」と発表されました。

 ウクライナの「戦」争や日本中が熱狂したカタールW杯での「戦」いなどが象徴されるかと思います。私としても一年間コロナとの戦いだったかと思います。

 

 年が明けて2023年を新たに迎え、私個人としては一刻も早く、そして少しでも多くの人が住み慣れた地域で暮らしていけるように地域包括ケアシステムの整備を進めていきたいと思っております。

 2025年問題を皆様も聞いたことがあるでしょうか?そもそも地域包括ケアシステム自体が2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進されています。

 

 あと2年ですね。あと2年で果たして理想とする支援や暮らしを提供できるか?またその先を見据えた地域作りや支援体制の構築が出来ているかと考えると課題が多いように感じます。

 

2025年に何が起きるのか。。。

 

 団塊の世代が75歳以上となり、人口が減少していくにも関わらず高齢化率は上昇の一途をたどり、5人に1人が高齢者となり働き世代が減る一方、社会保障費などの負担増大、要介護者・認知高齢者の増加という社会が目前に迫ってきているという事です。私達の現場に置いても影響が大きく、介護人材の不足や介護人材の高齢化が進行しており、今まではサービスに頼っていた部分が、事業所が減りマンパワーも確保出来なくなればこの先何年後かには当たり前にサービスを使うことも難しくなる時代が来るのでは無いかと危惧しております。

 そのため一刻も早い地域包括ケアシステムの構築が必要と考えます。ただ地域毎に課題があれば必要な政策も違うと思うので、一概にこれをやれば大丈夫という物は無いかと思います。

 以前講師をした際に、「病院ではたらくセラピストが多い中で、地域に対して出来る事はありますか?」と聞かれました。私も一病院職員として思うことは自分のいる地域または患者さんを送り出す地域の資源を把握し、セラピストのアセスメントを元に必要なサービスや支援とマッチングする事が何よりも地域作りに寄与できるのではないかと考えます。

 今までは「お風呂に1人ではいるのは心配だからサービス利用でまかなおう」という考えがありましたが、これからはお風呂に入れない問題を評価し、分かった課題に対して動作練習や環境調整等の働きかけをして行く事が必要と考えます。

 何よりも患者さんの意向が大事だと思いますので、本人の選択を尊重し住み慣れた地域で生活が送れる様な支援を心掛けていきたいと思います。

 

                             記事担当部署:OT