昨年に引き続き、今年もオンライン参加となったこの会。
久しぶりに「Bobath」とか「Vojta」とかを聞き、リハビリも根拠が問われる時代になってきたことを感じました。古の神経発達学的アプローチとか、懐かしいですね。
私は歩行アシストの費用対効果について、考えるところを述べましたが、最近の発表は内容が大したことなくても、褒められてしまうのが怖いところです。
根拠のない自信、自意識過剰などが助長されそうになります。
さて、発表は一般うけする話ではないので、今日は少し目線を変えます。
今回の発表に至るまで、検討を繰り返しましたので、その一部をご紹介。
歩行アシストによる歩行リハを行う際、この機器によるリハビリ終了時に、どの位の速度で歩いておけば良いのかを見ていきます。
症例は22例。脳卒中、脊髄損傷、廃用症候群、人工関節術後の方などです。
歩行速度を歩行アシスト使用前後で比較します。
10回ほど実施した方が多いですが、その結果、18%ほど歩行速度が改善しました。
ちなみに歩幅は、4.6cm程延長しています。
このように、歩行アシストは歩行速度や歩幅を伸ばす事ができますので、この歩行速度はどの位伸ばしておけば、歩行自立する割合が伸びるのか調べてみたいと思います。
ROC曲線を用いてこれを算出すると、グラフは示しませんが、0.724m/secがカットオフという結果が出ました。
これをもとにグラフを作ると
こんな感じになりますが、歩行速度を伸ばしておけば、歩行自立する割合も高くなると言えそうです(p=0.0206)。
杖、装具、歩行車など半数以上が利用されていますが、スムースに歩けるようになると速度も増します。
追伸
この歩行アシスト。引き続き使える可能性が出てきました。
これが「The power of dreams.」でしょうか。
記事担当:PTさかもと