当院はもともと「沢渡温泉病院」と名乗っていましたので、今でも水に関する療法を実施しています。
温泉なんてまるで民間療法みたいだと思われるかもしれせんが、最近では少しずつ、裏付けがなされているようです。
当院の自律浴です
温泉には、手術や薬物ほどの即効性はないものの、
①容易 ➁安全 ➂繰り返し実施できる ③副作用ほとんどなし
④患者満足度が高い
などの特色から見直されつつあります。
さらに、研究面でも、温熱療法の心臓リハビリテーション医療への応用、
細胞レベルでのheat shock protein の誘導、
血管内皮における一酸化窒素(NO)合成の促進、
などが証明されています。
温泉含有成分の経皮的吸収による効果は、ほとんどないようですが、
例外は皮膚浸透性が高い炭酸ガス(CO2)や硫化水素(H2S)などで、
水の吸収率の10~100 倍とされ血管拡張作用が強いそうです。
また、温泉の医学的効果は温熱療法を含む総合的作用によるもので、温泉成分のみで各温泉の効果を決めることは難しいようです。
水道水と書いてありますがお湯です。
白湯に比べると、塩化ナトリウムや、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素は体温の上がりが高く、冷めにくいという特徴があります。
これが、温泉が温まる理由です。
さらに入浴前後でも浴槽に浸かる全身浴の方が疲労が減少しやすいようで、以前示したように、翌朝のスッキリ感にも差が出るようです。
他の病院と比較はできませんので主観でしかありませんが、リハビリ後の温泉入浴で、治療効果も上がっていると思います。セラピストも同行して入浴リハビリを行います。セラピストがいなくても、患者さん同志で入れるよう、頑張りましょう。
回復期リハと温泉の組み合わせ、アリだと思います。
引用文献:松元他 温泉療法とリハビリテーション医療 Jpn J Rehabil Med 2018
記事担当:リハ部長さかもと