群馬リハビリテーション病院 リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。通常のリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使し、多くのリハスタッフで患者さんを担当させていただいております。外来・通所も午前に実施中。

HAL返却&新機体到着しました

 9/8、これまで愛用してきた当リハビリ室のHALが長年の役割を終えました。丁寧に梱包し、感謝の念を込めて返却させて頂きました。同時に新規機体が到着し、専用スタンドへの設置と機体の動作確認を終え、これからの患者さんに希望を与えられるようにと願いを込めました。

 

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 人は体を動かそうとすると、その意思に従って脳から運動神経を通じて筋肉に信号が伝わります。その際、微弱な「生体電位信号」が体表に漏れ出してきます。HALは装着者の「生体電位信号」をセンサーで検出し、意思に従った動作を実現してくれます。

 

 様々な病気や怪我により麻痺が生じ、足や手が動かなくなることがあります。私たちはこのような時、このHALを用いてリハビリを行う事があります。麻痺がある患者さんであっても、生体電位信号があれば、動作を実現できるため、動きが実際には出せなくとも力の正しい入れ方は学習することが出来ると考えています。そして、もう一つの目的には不動の学習をさせたくないという想いがあります。

 

 人は手足が動かないと動かさないでも生活が出来るように動作を修正していきます。例えば、左手が使えなくなった場合、あなたならどのようにペットボトルの蓋を開けますか?

 

ペットボトルの蓋を歯で押さえて右手でペットボトルを回して開ける?

大腿部でペットボトルを挟んで右手で開ける?

身体の一部や右手でペットボトルを押さえつつ、右手の手指で蓋を開ける?

など

 

このような方法を選択されるのではないでしょうか?

 

 そこに左手は参加していません。

 このように動かないならば動かないなりの動作を覚え、いずれか左手は動かないものとして扱ってしまいます。このようなことを不動の学習といいます。

 もしかしたら麻痺は少しずつ良くなっていたかもしれません。しかし、そのことに気づかず過ごすことで関節はこわばり・筋力は虚弱し、動く機能を失ってしまうのです。

 だから、動かなくても動かす練習を継続することが必要です。HALなどの機器を用いることで、少しでも動く状態を作り出し動作に取り入れる。そして動くことを忘れさせない。そんな想いも込めてセラピストは患者さんに向き合っています。

 

 一昔前であれば困難であったことも企業の想いや努力のおかげで実現できることも多くなりました。感謝しかありません。

 

 今回、到着したHAL機体はCYBERDYNE株式会社のご厚意でお貸し出し頂きました。製造している新規機体が完成するまでの繋ぎとなりますが、たくさん使用させて頂き、多くを患者さんに還元していきたいと思います。

 

                          記事担当:PT安齋