前回の①では、どんな状態の方が気管カニューレを使うのか、簡単な仕組みなどについて書きましたが、今回はカニューレの種類について書いてみます。
カニューレにはいくつかの種類があり、どのタイプを使うかは使う方の状態によって異なります。
①単管(管が1つ)か複管(管が二重)か
管が二重になっている複管カニューレは、痰が粘稠(ねんちゅう)で管が汚れてしまう方がよく使います。単管は医師がカニューレを交換するときだけ取り外しますが、複管は汚れたときにいつでも内側の管を取り外して洗うことができます。
※粘稠:粘りけがあって密度が濃いこと
②カフがついているか、ついていないか
【カフ付きカニューレ】
カフとは、カニューレの管の先についている風船部分のことです。これは、誤嚥物をカフ上で留め誤嚥性肺炎を防ぐ効果があります。(ただし、気管とカフの間には隙間ができるため、完全に留めることはできませんが・・・)
誤嚥の危険がある方はカフ付きカニューレを使うことが多いです。
③スピーチカニューレ
図のように、通常のカニューレは管を通して呼吸しているため、口からは呼吸できず話すことができません。しかし、スピーチカニューレは管が二重になっていて外側の管に穴が開いているので、口から息を吐いたり話したりすることができるのです。
意識があって話ができそうな方はこのタイプを使って発声練習をしていきます。
他にもいくつか種類はありますが、今日はよく使われているタイプを中心にご紹介しました。
では、これらの気管カニューレをどうやったら外せるのか・・・それはまた次回にさせていただきます。
担当記者:ST茂木