群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

嚥下療法の新しい機器準備中

嚥下療法の新しい機器を今月中に稼働させるべく、準備中です。

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 海外製で嚥下機能に対する電気刺激装置は今までにもありましたが、
当院で採用した理由の一つに、痛みの少ない(ほとんどない)干渉波刺激であると言うことがあります。

 低周波刺激は、いままでどうしてもピリピリとした感じがあって、不快な思いをしていました。特に首に電極をつける場合ではなおさら問題となることが考えられました。

 しかし、本機では2000Hz前後の干渉波を用い、微弱な電気刺激によって、嚥下閾値を低下させ、嚥下の誘発を促進します。

 以下はこの機器の開発に携わった兵庫医大の報告です。

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 2000Hzの交流波(低周波刺激)と2000+2050Hzの干渉波で、僅かに振動を感じる程度の刺激強度で5分間、電気刺激をしながらシリコンチューブで3ml/minで喉に直接水を送り込み、そのときの嚥下回数(飲み込み回数)を比較しました。

 被験者は健常成人男子ではありますが、単純な低周波よりも干渉波の方が5分間で3.1回、飲み込む回数が増えています。
 次に、干渉波刺激前後での比較です。

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 刺激前の20.6回から、干渉波刺激中は24.1回に嚥下回数が増え、終了すると20.6回に戻るという結果となりました。

 この結果から、低周波刺激中は喉への水の流入に対して、嚥下反射が起きやすくなっていることが考えられ、
単純な低周波よりも干渉波の方が効果があるといえます。

また、嚥下反射の起きやすさは、
治療時の嚥下回数を増やすことにつながり、
嚥下に関する筋活動や協調性の運動学習がしやすくなる可能性や、
嚥下反射の遅延がみられる方の治療に
効果があるものと考えています。

 以前のモニター使用でも比較的良い結果がでていますので、嚥下反射が起きやすくなることで治療につながる可能性のある方は、医師や言語聴覚士に相談してみる価値があるのではないでしょうか。

引用資料:辻田純三ら、干渉波による経皮的頸部刺激は嚥下閾値を低下させる 第47回理学療法学術大会in兵庫 2012
グラフは文献データから坂本が作成