一年前の報告になりますが、金沢医科大学の米山氏らによれば、お米を多く食べるとよく眠れる一方、麺やパスタは睡眠を妨げることがわかったとのことです。
同氏らは1,848人の日本人の男女のデータを分析、睡眠の質と、生活習慣(食生活や喫煙、運動習慣など)について調査を行っています。
パン製品(パン、パンケーキ、ピザなど)はいずれも睡眠の質には無関係だと言うことがわかりました。
出典元:Associations between Rice, Noodle, and Bread Intakeand Sleep Quality in Japanese Men and Women - PLOS ONE(8/15)2014
ごはんも麺もパンも同じ炭水化物なのになぜ違いがあるのでしょう?
ここで重要なのが「グリセミック指数」(GI値)と呼ばれる、炭水化物が消化され糖に変化する速さを表した数値です。
高GI値食品を食べると、短時間で血液中の糖分が増え血糖値が急上昇し、この状態が長く続きます。
逆に、低GI値食品では、血糖はあまり増えない上、その状態も長くは続きません。
「お米」のようにGI値が高い食物には、睡眠の質を高める効果が認められました。
高GI値食品が良質な睡眠を促す理由は、鎮静効果があるとされるアミノ酸「トリプトファン」及び、睡眠ホルモンである「メラトニン」に作用するためと考えられます。
炭水化物を多く摂取(=高GI値食)すると、他のアミノ酸に比べ、脳に運ばれるトリプトファンの量が増えることが過去の研究でも明らかになっており、トリプトファンがセロトニンに、セロトニンがメラトニンに変わり、良質な睡眠につながります。
「お米を食べることで、良質な睡眠がとれ、特に夜中に目が覚めることなくたっぷり寝られる」とのことです。