退院前に患者さん、ご家族に対し、表題の指導を行っています。
しかし、ご家族とセラピストがお会いする機会は、大きく減りました。退院前訪問指導で、ご自宅に伺った際に、実際の環境で指導させていただくこともありますが、これは全患者さんではありません。したがって、実際には御家族ではなく、患者さんご本人にこの指導をさせていただくことも多いようです。
病院はいまだに面会禁止のところが多く、オンラインによる短時間認めるところが多いように思います。
この指導は、退院時に、病状や家屋構造、介護力などを考え、患者や家族に
退院後の療養上必要と考えられる指導を行うとなっています。
また、医学的管理をした医師が指導しますが、医師の指示を受けたPTOTSTが保健師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士とともに指導を行うということになっており、ほとんどの方はセラピストから退院時リハビリテーション指導を受けていただくことになると思います。
具体的な指導内容は
患者の運動機能とADL維持、向上を目的として、
体位交換、起座・離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練、生活適応訓練、基本的対人関係訓練、家屋改造、介助方法、在宅保健サービスの情報提供等を行います。
このような動作練習指導を行うことも大事ですが、先日、親戚に介助指導をして、その必要性を実感しました。
介護される人がだんだん身体機能が悪化し、時々転んだりするけど起こせない。とのことでした。その人はリハビリの対象になったことがないので、リハビリを受けたこともなければ、介助指導をされたこともないようでした。
そんな家族が大変な思いをしていそうだったので、介助指導を行うことにしました。
やってみて驚いたのは、介護者の腕力は強いのに、床から立ち上がらせるのは困難ということでした。
まず、一つ目は床から直接立ち上がらせる方法です。家族に力はあるので、この方法も選択肢と考え、提示しました。このまま体を密着させて持ち上げてしまえば、立つことができます。
これが難しい場合は、下の図の手順に従って立ってもらうことを考えます。長座位から横座り位、四つ這い位から、片膝立ち、ここでそのまま立ち上がってしまう方法もありますが、高這い位を経て立ち上がる方法もあります。
ここに少しずつ手を添える、臀部を持ち上げるなどの介助を行って、立位姿勢をとってもらいます。
一般女性でもこのくらいはできるんじゃないかと思ったのは、私の妄想でした。力はあるのに上手く使えない。タイミングと方法を学べば、介助はもっと楽に安全にできます。
この楽にできる方法を、是非、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士に聞いて、実践していただきたいと思います。
特に退院が間近に迫った方には、是非リハビリ指導や介助指導を受けていただくことをお勧め致します。
記事担当:部長さかもと